2019年10月

第15回東海地区・北陸・愛知 三連盟代表大学野球王座決定戦

30分ぐらいかけて書いた記事が突然消えて、バックアップもされていなかったのだが…

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過去14回で一度も秋の神宮を勝ち取れていない北陸大学野球連盟のターンが来たとしか思えないのですが気のせいでしょうか。昨年度から突如として、開催地区連盟からは2校、その他の連盟からは1校のみ出場という規定に変更されました(それ以前は各地区から2校の計6校で争われました)。今年は福井県が開催地なので北陸大学野球連盟から2校出場できます。更には東海地区大学野球連盟と愛知大学野球連盟からは日大国際関係学部と中京大学がそれぞれ出場します。2年前の王座戦で福井工業大学が倒している2校です。これが巡りあわせで無いのなら&このチャンスをモノに出来無いのなら・・・(※ちなみに、これを書いている人は愛知推しです。頑張れ中京大学!)

2017年度の王座戦より
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森弘明投手(愛知淑徳大学)

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10月20日に行われた3部リーグ1位校決定戦・プレーオフにて名古屋大学の松田投手と投げ合った愛知淑徳大学の森弘明投手(3年 名古屋高校卒)です。7回に同点本塁打を浴びるまでは完全な勝ち展開でした。角度のあるストレート、中速域のスライダー、縦にドロンと曲がる緩い変化球等が持ち球。ストレートには力が有り3部リーグの中では抜けた存在の投手です。


投球フォーム
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セットポジションから始動

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目線を切る→〇

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正中線でグラブと投球腕を分離をさせる(山岡泰輔、岩隈久志タイプ)→〇
軸足の膝が折れるのが早い→△
左膝が腰までしか上がらない→△

右足で受ける地面反力はやや弱いタイプかもしれません。

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投球腕の脱力が完了→〇

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小指を上に向けたグラブを真っすぐに突き出して腕から先に出す

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左腕の内旋と回内で右膝の内折れをキープ→〇
軸脚股関節の曲がりが甘く骨盤が上を向く→△

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グラブ側の腕を巻き取りによって軸脚の伸展+内旋が起こり、右手が肩の位置まで上がる→〇

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軸脚の下肢三か所を伸展させた形での左股関節へのシフトチェンジ→〇
投機腕の前腕が回外し、上から叩くような腕の振りに→〇

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投球腕の前腕が回内し、親指が掌の中に入る→〇
上体の深い倒れ込み→〇
両脚の膝角度が大きい形でのフィニッシュ→〇

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骨盤の縦回転→〇
右肩を捕手方向へ向ける→◯

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スパイクの裏が上を向く→〇
右股関節が左の股関節に被さるような形になる→〇

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リリースの打点が高く、下半身で押し込んでいけるフォーム

ワインドアップの動作から見て行きます。軸脚で真っすぐ立たずにいきなり膝が折れ始めます。左膝があまり高く上がらない事もあってステップへ向けての準備はやや不十分でしょうか。踏み込んで行く際に利用したい地面反力は受けにくいように見えます。

踏み込んで行く際に右足で地面反力を強く受けきれない為、バックステップの要素が薄い並進動作になっている印象を受けます。その為に並進動作に溜めが無く、左足の着地が早くなります。それを防ぐために左膝を深く折って着地を粘ろうとしているように見えます。

並進動作での歩幅を狭く取る事で重心位置を高く保っています。それと右肘を鋭角に使うコンパクトな腕の振り方とが合わさって打点の高いリリースを実現出来ています。リリースする際に両脚の膝角度が広く取れており、ボールに体重を乗せやすい投げ方になっています。着地からリリースへ向けた下半身の動きとしては骨盤が縦へ回る為、軸足が三塁方向へ振られません。両サイドへの投げ分けについては然程苦しまないような気がします。

総合的な感想としては、ワインドアップから体重移動へ入るまでに地面反力を受けられるようになれば、もっと良くなる気がします。着地以降の形は素晴らしく、硬く傾斜角のあるマウンドで投げればもっと球速は出ると思います。腕の使い方も良いので故障耐性は高いのでは無いでしょうか。自らの資質に気づいて追い込んで行けば、もっと名が知られる投手になれると思います。

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軸足が三か所伸展した状態でリリース出来ています。真上から投げ下ろせるのも強みです。

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2019年東京ヤクルトスワローズ指名選手

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ドラフト2位 吉田大喜投手(日本体育大学)★★★★☆
合わせにくい投球フォームと外角低めへの制球力を強みとする実戦派右腕。
大学日本代表での活躍から評価が急上昇し今ドラフトでは13番目に名前を呼ばれた。
年間通して投げ抜く体力があるのなら新人王候補の一人。

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ドラフト3位 杉山晃基投手(創価大学)★★★☆☆
完成形として二桁勝利が見込めるような大型右腕。
ストレートの制球は安定しないがゾーン内で勝負出来る変化球を多数習得しているのは強み。
上から叩ける投球フォームへ行きつけるかどうかで成否が分かれる。
所属する東京新大学野球リーグでは連戦連勝を誇った。

杉山晃基投手(創価大学)
杉山晃基投手(創価大学)②

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ドラフト4位 大西広樹投手(大阪商業大学)★★★☆☆
ドラフト1位級という声もあったが実際には4位指名に落ち着いた。
横に狭く縦に広くボールを扱えるためストライクを取る事には苦労しない。
立ち投げ気味なので傾斜の緩い神宮球場のマウンドに合わなさそうな事が懸念材料。
ストレートを見せ球にして変化球で勝負したい。

大学球界の「西の大将」
 
大西広樹投手(大阪商業大学)







令和元年度名古屋大学野球部

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左から小林研貴内野手、松田亘哲投手、井上尚輝捕手


この一枚の写真が全てを物語っています。自身の努力と決意の強さがプロ指名を勝ち取った再大の要因に違いないところでしょうが、チームメイトの支えによるものも大きかったはずです。「3部リーグ所属の怪腕」「最速148km/h左腕」という異名を誇っていたので圧倒的な個人だと思われているかもしれませんが、ここ数か月の間に急上昇して来た素材型というのが実情です。

「負ければ大学野球引退」「ドラフト指名後、初登板」というプレッシャーのかかる状況で行われた3部リーグプレーオフ・愛知淑徳大戦(2部リーグ最下位校との入れ替え戦に進出する為の一発勝負)では7四死球を与えてしまう大乱調の投球となり、ノックアウトもチラつくような厳しい展開になりました。

苦しむ松田投手を一人にはさせない、と援護射撃をしたのが井上尚輝捕手と小林研貴内野手の両選手。共に松田投手と同学年の4年生で、守備力が強みの井上捕手は正確な送球による進塁阻止と("イノキャノン"と命名しましょう)と好フィールディングでピンチを防ぎ、代打で登場した小林内野手は超特大の同点ホームランで球場の空気を一変させました。

井上捕手が相手の攻勢を止める度に「サンキュー」の意が込められたようなタッチを交わしていましたし、特大弾を放ってベンチに引き上げて来た小林内野手は松田投手を見つけるや否や熱い(熱すぎる)抱擁を交わしていました。苦しい時に助けてくれた仲間への感謝、松田投手を助けたいと思う仲間の気持ちが垣間見えた瞬間です。

名大ナインにとっては松田投手の存在は誇りでもあり自分達が取り組んで来た事の象徴でもあるはずです。2017年の春季以来となる2部リーグ復帰に向け、一枚岩の様相を見せる「令和元年度名古屋大学野球部」の集大成に注目です。

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2019広島東洋カープ指名選手

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ドラフト1位 森下暢仁投手(明治大学) ★★★★
明治大学が輩出した投手としては川上憲伸以来の大物。
身体操作性の高さを感じさせる投球フォームと野茂英雄クラスの柔軟性を兼ね備えた本格派右腕。


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ドラフト2位 宇草孔基外野手(法政大学)★★☆☆☆
大学4年の春季シーズンでは4HRをマーク。俊足を生かして内野安打を量産するリードオフマン。
走り打ち気味という事もあり外角を強く叩けないが、引っ張り込めた時は柵越えをさせるパワーを兼備。
足を生かすか、強く叩くのかで将来像が分かれる。

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育成ドラフト3位 畝章真投手(香川オリーブガイナーズ※写真は名古屋商科大学時代) ★☆☆☆
上から叩けるサイドハンドで右打者の内角に変化球が使えるのは強み。
明確な特徴を生かして居場所を作りたい。







谷川刀麻外野手(近畿大学)

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星稜高校(甲) 外野手兼内野手 右投左打 176cm 77kg
大学通算成績(2019年春季まで)82試合 打席 302 84安打 43打点 6本塁打 打率.278






ライナーで野手の間を抜く中距離ヒッター。センスに加え振り切るスイングを習得。(野球太郎No.032)

プレーで引っ張る強肩強打の主将。右投げ左打ち。体勢を崩されてもスタンドインさせる巧みなバットコントロールと鋭いスイングが魅力の外野手。
春のリーグ戦では2本のホームランを放つなど長打力があるのも持ち味だ。今季も彼の打撃に注目が集まる。
元投手で140キロ超を投げていた彼の外野からのレーザービームは一見の価値あり。
主将としてチームをまとめ秋連覇、全国制覇に向け闘志を燃やす。
(関西学生野球連盟パンフレットより)




打撃フォーム(2019年秋季リーグ戦)
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一塁方向からのアングル
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2019年春季シーズン
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パンチ力が強みで大学最終シーズンの今季は四番打者も務めています。コンタクト能力に優れるシュアなヒッターというよりは強い打球で野手の間を抜くタイプだと言えそうです。やや荒さを感じるスイングですが上手く引っ張り込んだ時の打球にドラフト候補としての凄みを感じます。正面から撮影したものが凡打のシーンしか無いので参考にならないと思いますが簡単な考察を。

構えからトップに入るまで軸足の股関節内転をキープ出来ており、両目で投手を見据えています。トップでは割れも作れており理想的な流れで振り出しに入れていると思います。振り出しからインパクトにかけてですが、ヘッドが横から出ており下半身の回転も甘いので外角を強く正確に叩けないように見えます。又、インパクトからフォロースルーにかけては引き手(右腕)が壁のようになっている事が有り、ヘッドを返すような形でインパクトしています。ミートポイントがズレた時に修正が効きにくく、外寄りの球を引き込めません。体から遠い所でバットを操作しているのも気になる点で大学通算打率が3割を切っている理由はこの辺りになりそうです。50m走は6.0秒(一塁駆け抜け4.1秒付近)の俊足で投手として最速148km/hを誇る強肩という事なので、もしドラフト指名されるという事なら身体能力を買われてのものになると思います。大学で左翼手というコーナーポストを務めている辺りからして守備が強みになるのかと言われたら微妙なところですが今季は三塁手としても出場しており高いユーティリティー性は武器になりそうです。打者育成力に定評の有る球団に指名されて数年後に1軍戦力と言うのが現実的な未来像でしょうか。※下位~ボーダークラス






坂本裕哉投手(立命館大学)

福岡大大濠 180cm 85kg 左投左打 大学通算成績(4年春季まで) 23試合 132回 11勝5敗 自責点34 防御率2.32

連続フォーム
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ランナー無しの状態でもセットポジションより始動します。写真では伝わりにくいかもしれませんが軸足一本で立っている時の溜めが効いており、目線切り(右脚を引き込む際に視線を一塁方向へ切る事で前方への意識を薄めている)のテクニックも取り入れています。これらの動作によって体の突っ込みを抑えるような効果が発生していると思われます。

そこから右膝を概ね胸の高さまで抱え込み(下半身を大きく使う意識)、グラブと左手との分離を早いタイミングで行っています(左腕を早めに脱力させる準備)。 ワインドアップ期からヒップファースト期に入る辺りで臀部の左側を本塁側へ向ける様な動作を取り入れています。俗に言う「骨盤のかませ」ですが、大きい部位の関節を上手く使う事で再現性を高めつつ出力の無駄を省く意図を持つ動作です。これによって下半身を狭く鋭く回せるようになり、アクセル筋群を使う形でのステップ動作を実現出来ます。


ヒップファーストでは頭部が軸足の股関節上に残っており、重心を上手く溜める事が出来ています(突っ込みの抑制)。この際に左手でマウンドを触りに行くような意識で左の脇腹を収縮させると体軸に傾きをつける事が出来ますが、坂本投手の場合はステップ動作中に右肘を高く上げる事で体軸の傾きを作っています。

下半身に柔軟性は並程度に見えますがステップからランディングにかけては骨盤の開きを我慢出来ています(というよりは下半身が開きにくいタイプでしょうか)。坂本投手の投球動作で特徴的なのが上体と投球腕の使い方です。胸を上手く張れず上腕の捻りを使えていないが為にアーム投法的な左腕の使い方になっています。同じく立命館大学出身の東克樹投手(現DeNAベイスターズ)もアーム投法気味で腕を振っていたので似たタイプと言えるのかも知れません。

ステップ動作中に体軸の傾きを確保したものの、左脇腹を充分に収縮させたとは言えなかった為なのか上体が立った形でのリリースモーションになっています。打者寄りで球が離せず、低めへの制球が手先頼みになる懸念が有ります。球速が出る割に変化球で仕留める割合が多いのは、この辺りに理由があるような気がします。フィニッシュでは上体と投球腕をストライクゾーンに押し込むような形でボディターンしている事もありボールがバラつきません。上腕と肩甲骨はあまり上手く使えていませんが、その他の動きでカバーしているタイプと言えそうです。

ステップ幅を広く取っているのか、フィニッシュからフォロースルーにかけての右脚の伸展が弱いように見えます。ここで右股関節に上体が乗るようだとボールの勢いが打者の手元まで残ると思います。尻がそれほど落ちず真っすぐに踏み出すタイプで、上体のスイング幅が狭いのでドロップカーブやフォーク、スプリット系には向かない投げ方です。

クレバーでクールというよりは感情の入った投球をするタイプです。ドラフト直前の時期という事もあってか同じくドラフト候補の谷川刀麻、佐藤輝明(※3年生)との対戦では147km/h、148km/hのストレートをマーク。佐藤輝明からは高めのストレートで豪快に空振りを奪うシーンも有り、この日詰め掛けたプロスカウト達に良い印象を残したと思います。ドラフト前での最後の登板になる可能性が有ったので人生最大の意気込みで臨んだそうですが、それを見事に完封勝利で飾りました。やれる事は全てやりきったと言えそうです。(※翌日にチームが負けた為、翌々日の三戦目にも登板。9回2失点完投という内容でしたが味方の援護が得られず敗戦。このショックで指名漏れを覚悟しているような報道がされていました) 余談ですが試合後にファンからサインを求められている場面に遭遇しましたが目線を合わせた対応で応じており、人柄の良さを伺わせていました。

順位縛りが無ければ、ほぼ確実にドラフト指名される存在だと思います。加速期で肘が鋭角で出て来ない為、肘を痛める懸念が有りますが(東克樹投手に似た特性です)プロでの活躍を計算しやすいタイプなのでドラフト2位~4位辺りで名前を呼ばれるのではないでしょうか。ストレートの球速帯に比べて変化球の速度が130km/h弱に集中している点が引っかかりますが、そこさえクリアすれば早い段階から一軍戦力になるでしょう。※上位~中位級評価






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