STANDING TRIPLE

らすかわ@suzu_rasuのブログです。愛知大学野球、大学野球全般、東海圏のドラフト候補、ドラフト候補全般、投球フォーム、打撃フォームに関する記事を執筆しています。

2020年06月

時代は3部(愛知淑徳大の森弘明投手に関する記事です)

森弘明投手(愛知淑徳大学 4年)の記事がやたらPVを集めているので何事かと思ったら、


中日新聞プラスの方で記事になっていたのですね。完全なおこぼれ(笑)


上に貼ったリンクにも簡単な考察を書きましたが(加筆修正しました)、この森投手はピッチングフォームにも見どころが多いんですよね。

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この辺りが森投手の投げ方における個性だと思います。
一つ一つ言語化して行きます。

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上から叩く打点の高いリリースなのですが、この際に両脚の膝がほとんど曲がっていません。 
これは解説者の荻野忠寛さんや藪恵壹さんが推奨するリリースモーションでMLBの投手に多く見られる形ですね。

頭に衝撃が走るように力が加わり、リリースの叩きへと繋がります
(着地の地面反力を使えているという事です)。
日本人だと山本由伸投手や山岡泰輔投手辺りはこのような形でリリースをしています。

3部リーグの投手ですし、日頃は掘れやすく傾斜の緩いマウンドでピッチングしていると思われますが、 
硬く傾斜のあるマウンドで投げれば数km/hのスピードアップは簡単に望めると思います。

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左の脇腹が収縮しています(左肩と左股関節の距離が近い)。
単純にリリースの打点が高いだけでなく体を縦に使えています。
ボールに角度が付きやすく低めに球が集まりやすい傾向に有りそうです。

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これもかなりポイントが高いのですが、腕を振る際に肘を鋭角に使っています。
肩肘への負担を軽減しつつ、上から叩くような腕の振りを実現出来ていると思われます。

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これはターゲッティングですね。
右肩の背中側を捕手方向へ向けるようにする事で背骨を回し切る形で腕が振れています。
変化球でも腕が緩みにくくなりますし、リリースポイントが安定するので抜け球が減り、
ボールに力も加わりやすくなります(体幹が回り切るので)。 
指導者不在の環境でこのフォームにまで辿り着いた辺りにセンスの高さを感じますね。

ここまでの体の使い方だけを見るていると愛知の右投手では最高峰の素材に思えてきますね(笑)

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テイクバックでは腕が背中に入りすぎているように見えるのですが、言い換えれば柔軟性が高いという事です。
リリースに向けて鋭角になる右肘の使い方にも表れていますが、柔軟性の観点からしても素質の高さを伺わせます。

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左脚を開かせるように着地を粘っています。
あまり見ないような動作なので、この辺りに「3部の投手っぽさ」を感じさせますが、
恐らく下半身が開きにくい体質で、予め開かせて行かないとインステップが強くなるという事ではないでしょうか。

本人じゃないので実際のところはわかりませんが(笑) 


・・という感じで硬く傾斜角のあるマウンドで投げられれば「覚醒」を遂げそうな逸材です。
平たく言うとプロのマウンドで投げれば、もっと凄くなる可能性が高いと言う事です。
「じゃあ、ドラフトで指名されるのか?」と言われたら今年の状況的には厳しいと思いますが、
どんな形でも上のステージで野球を続けて欲しい投手です。


投球動作について、あと一点付け加えると、
ワインドアップのフェーズが改善されたら更に良くなる気がするんですよね。
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早めに折れる右膝の動きを見てみても、右足で受ける地面反力がやや弱いような気がします。

本人じゃないので実際の感覚はわかりませんし、この動作でも上手く地面反力を使えているのかもしれませんが、
ここの形が良くなると「オーバーハンド版の村西良太投手(オリックス・バファローズ)」になれるような気がしますね。

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ちなみに村西投手(近畿大学時代)はこんな感じで地面反力を得ています。


それにしても3部リーグが注目されるようになるとは愛知の大学野球はどんどんマニアックな場になっていきますね。
名工大には最速147km/hの投手も存在しているそうですし「3部の2部化」(意味伝わる?)が始まっていますね。
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河野竜生、プロ初登板

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もしかして睫毛長い?

以前、noteに投球フォームについて書きましたが


河野投手の投球フォームの強みは「リズム」ですね。
ノーワインドアップから始動するのですが、片脚立位の体勢(左脚一本で立っている状態)に入る前にピタっと止まる動作を入れてからリリースまでを一挙に行います。
このギャップで打者が手玉に取られている印象を受けます。
本格派というよりは実戦派でしょうね。

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横の角度を使ってストレートとスライダーを織り交ぜる正統派左腕ですがテイクバック、
腕の振り方、どちらもコンパクトなので色んな意味でタイミングを取りづらい投手です。 

外野の深い位置まで球を飛ばされる事が多いのをアマ時代から懸念していましたが、プロ初登板でも洗礼を浴びてしまいました。
ここ一番でのギアの上げ方には目を見張るものがありましたし、チェンジアップを使う比率が上がればもっと楽に試合を作れるようになると思います。
光るものは感じたので次回の登板に切り替えて欲しいですね。

6月24日 楽天イーグルス戦
5回 86球 打者23人 被安打4 本塁打1 奪三振1 与四死球1 失点4 自責点4

この日はフェアグラウンドに飛んだ打球の内、5割以上がフライボールで球数がかさむごとに比率が上がって行きました。
どちらかと言うとフライボールピッチャーだと見ているのですが今後のピッチングにも注視して行きたいですね。






與座vs床田

油断するとすぐに更新が途絶えますね→ブログ



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與座海人投手(岐阜経済大学→西武ライオンズ)がついに台頭してきましたね。今のところ岐阜大学野球における最後の大物です。中部学院大学から広島カープに入団した床田寛樹投手も開幕ローテ確定みたいですし、数年前の岐阜は凄い地区でしたね~。

12球団×開幕ローテ6人=計72人のうちに岐阜の大学野球出身者が二人も入ってる事が既に快挙ですが、この二人は大学時代にも直接対決しています(※この記事の写真は全て2015年の10月10日に撮影したものですが正に直接対決した時のものです)。
この時は今の1/1000ぐらいしか野球の知識が無かったし、仮に今ぐらいの知識があったとしても(今も大して知識なんてありませんけども)、この二人が揃ってプロの1軍ローテに入るだなんて予想出来なかったでしょうね。ここのところあまりパッとしなくなりましたが岐阜の大学野球には復権を果たして欲しいものです。

森浦大輔投手(天理大学)

ランナー有りの状態です。

あまり参考にならない状況の写真で申し訳ないところですが別アングルからの写真で補足します。
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体の正面で両手を割ります(右手と左手を離します)

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グローブから先に出して体重移動に入ります。

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頭部が左の股関節上に位置しています。後ろに溜めてから踏み出して行きたいタイプですね。

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右腕と右脚が内に捻られています。
この右半身の動きによって体重移動に溜めが作られているのだと思います。
左膝の内折れを粘れていますね。

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ここでも頭部が軸脚の股関節上に残っています。

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上体がほどよく前傾する為、対になる肩甲骨と股関節の連動を引き出しやすい投げ方なのかもしれません。

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左脚が内に入り、右脚は外に開きます。
重心が深く、右足の着地が粘れているので着地の反力をリリースのエネルギーへと生かしやすいタイプだと思われます。
左手の引き上げも早いですね。

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左手から左足までが直線に近い形で結べます。
ボールに力が伝わりやすい形ですね。

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左肩でのターゲッティング(ストライクゾーンに肩を入れるような動き)が甘く、
上体が倒し込めていません(背骨を回しきれていません)。
上体と腕が一固まりになりにくいのでリリースポイントが安定しにくく、腕に負担もかかります。

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上体の起こし上げがやや早いですね。

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左足が上を向きます。

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左脚が内に入り、左の骨盤が右の骨盤に被るような形になっています。
力を本塁方向へ集約することは概ね出来てそうに見えます。

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まとめ

恐らくクイックモーションだと思うので(自分で撮影しといて覚えていません)参考になる部分とならない部分とがあると思いますが、両手を体の正面で割るタイプで右腕を先行させてから体重移動に入るのですが頭部は軸脚側に残しています。

体重移動中に上体を前傾させているので肩甲骨に自由が利き、対になる股関節と連動するような投球動作になっています。始動からリリースまでは特に気になるところは無いのですが、リリース後に上体が起き上がってくるのが早く左肩を捕手方向に向け切れていません。腕だけで投げるような形になりやすくリリースポイントもブレやすいので右打者の外角高め方向へ球が抜けやすいかもしれないです。

腕にかかる負担も大きくなりますし、変化球で腕が緩む原因になるかもしれません。プロ入り前の田嶋大樹投手(JR東日本→オリックス・バファローズ)も似たような感じでしたね。田嶋投手はプロ入り後に修正していますし、伸びしろと捉える事も出来そうです。今現在プロ側が懸念しているポイントがあるのだとしても、ここの修正によって改善される気がします。

次回はネット裏から撮影したアングルで分析してみます。

天理大学の森浦投手について考えています

今日は雑にまとめます。 投球動作のポイントとしては、この四つだと思います。
(※連続写真ではありません)

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①体重移動での上体前傾

本塁側から見て背中がやや見えています。
この時の状態としては骨盤が一塁側と正対、胸が一二塁間と正対しているような感じになり、
上半身と下半身との間にズレが起きています。 

ドッジボールやハンドボールの投げ方と似た感じの動作になっている為、
体幹から主導する形で回転動作(腕を振る為に正面を向く動き)に入れるので手投げになりにくいと言えそうです。

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②いわゆるトップの動作です

右の膝が一塁側に入っており("股関節が内旋している"と言ったりします)、
その分下半身が開かず、このアングルからでも骨盤がほとんど見えません。
これは開きを抑えているというより、開きにくい身体的構造なのだと思います。
なので、体重移動の段階から開かせに行かなきゃいけないわけです。

そういう意味でも一つ前の写真の説明で触れた「ドッジボールやハンドボールに似た投げ方」が有効なのです。
右腕でリードしながら頭を右股関節へぶつけるようにして開かせに行けますからね。
下半身だけでなく上体も開いていませんね。トップの形としてはほぼ完璧です。

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③リリースの動作

股関節同士が寄り、概ね本塁方向へ力を集約出来ています。
インステップしているのでクロスファイアに強みを出すのはやや難しいと思いますが、
インステップする分、内転筋に力が入り体が外に流れるのを防ぎます。
膝が動いて力が外に逃げるという事も無さそうな気がします。

頭が右の股関節上に位置し、右肘とグローブも右の股関節周辺に置けています
(右の股関節周辺をリリースの支点に出来ています)。

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④投げ終わり

体重移動~リリースで上手く重心移動出来たので、右の股関節に左の股関節が被さるような形で投げ終われています。
その為、左脚が一塁側に振られず右脚に体重がかかります。

本塁方向に力が集約するのでボールがゾーン内に集まりやすく、腕にも負担がかからないと思います(外に引っ張られるような力がかかりにくい)。


まとめ

という感じで、身体的な特性を上手く使えていますし、その特性が仇とならないような動きも実現出来ています。基本的にセンスの高い投手だと思います。

もっと細かい話は後日に書きます。並行して色々な投手の考察に手を付け過ぎたので、新たに着手するのはこの辺りにしておきます。
途中書きになっている投手についても全て書き切る予定なので、
時間があるときにでも見に来てください。

天理大学投手陣

天理大の森浦投手について書こうと思って色々見てるのですが、
資料に使える良い写真が無いんですよね。なんとかして書いてみようと思います。

それはさておき、天理大の投手は膝を曲げるのが好きな人が多いのかな。
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一昨年の大学野球選手権より。 この日は森浦も八木も投げたのに大商大打線を封じれずコールドで負けたんですよね。去年の秋も王座戦で大商大にやられているし天敵と化してきましたね。

三枚目の写真に写っているのは愛工大名電出身の桜木投手です。
今は何処かの軟式社会人でプレーしていたはず(調べろよ)

26大学野球連盟の春季リーグ戦への対応出揃う



全日本大学野球連盟は5日、連盟加盟の26大学野球連盟について、春季リーグ戦への対応が出そろったとして発表した。 春季リーグ戦の日程を延期した上で行う連盟は、東京6大学野球連盟(8月開催予定)、関西学生野球連盟(8月9日開幕予定)関西6大学野球連盟(7月3日開幕予定)。 代替試合を検討している連盟は、北海道学生野球連盟、南東北大学野球連盟、関甲新学生野球連盟、東都大学野球連盟、神奈川大学野球連盟、愛知大学野球連盟、東海地区大学野球連盟、京滋大学野球連盟、四国地区大学野球連盟、九州地区大学野球連盟の10連盟。 代替試合の日程については、当該連盟で決定次第、大学野球連盟のホームページにて発表する。

だそうです。8月には観戦可能な世の中になってると良いな。

そういえばなのですが大学野球に関する色々な仕組みは、
なつほさん@nk62knが書いたnoteを見るとわかりやすいですよ。初心者の方におすすめです。

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主に愛知県のアマチュア野球に関する観戦記です。 一般人による運営ですので内容に誤りがある事を前提として閲覧してください。 又、公開に関して問題があるようでしたらコメント等にて一報いただければすみやかに対処させていただきますので宜しくお願いいたします。
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