<新春対談>市立沼津出身 小林×今村・上(静岡野球スカウティングレポート)
<新春対談>市立沼津出身 小林×今村・下(同上)

この対談を目にしてからというもの、新シーズンでの小林弘郁(愛知東邦大)のピッチングを見るのが待ち遠しくてしょうがなかった。
高校時代のチームメイトに知名度で先行され、自身が所属する愛知大学野球連盟2部リーグでも
ドラフト候補ビッグ3と呼ばれる近藤(愛工大)、夏目(至学館大)、中尾(名古屋経済大)らに遅れをとっている感が否めなかった小林。
奇しくも春季リーグ開幕戦でビッグ3の一角 である夏目旭と直接対決できる機会に恵まれ、
中尾の所属する名古屋経済大も同日の同会場で試合を行うという二重のチャンスが訪れた。
夏目、中尾らを目当てに集結した大勢のスカウトの前でライバル達を上回れば、これまでの評価を一発で覆せる。
見方によっては小林の野球人生における最も重要な局面と言えるわけで、
「きっと小林は燃えてるに違いない」という勝手な期待を胸に試合会場へ向かった。

その期待通り、序盤から抑えきれない闘争心を前面に押し出して鬼神のような投球を披露した小林…
という事はなく、いざ蓋を開けてみるとフェンス越しからでもハッキリわかる程に立ち上がりの小林は緊張していた。
無理もない。人生を決めかねない大一番であると同時に大学野球生活最終学年の開幕戦。
愛知大学野球の盟主、愛知学院大の降格もあり例年以上に熾烈な争いとなる今季は取りこぼしが絶対に許されない。
この状況で緊張しないほうがおかしいではないか(実際には大して緊張してなかったのだとしたら申し訳ない)。

しかし、この試合にかける執念が上回ったのか、緊張の影響は特に感じられず、
コーナーワークが冴え渡るテンポの良いピッチングで至学館大打線を散発に封じ1失点完投。
自慢のストレートは最速143km/h常時140km/h弱を計測した。
最終回に失点を許したが内容的には文句無しの完勝で見事にビッグ3の一角を喰った。
プロスカウト陣からの評価も上々なものになったのではなかろうか。
制球力に付随する仕留めきる投球術という事では、愛知2部のドラフト候補では一番優れているような印象を受けた反面、
プロ入りに向けての課題は球質面にあるような気がしないでもなかった。
押し込むパワーか交わしきる切れ味、そのどちらかで秀でる必要性があるのかもしれない。
ただ、社会人野球でならば即戦力級になれるぐらいの技術はすでに備わっているようにも見えた為、
上のレベルでも問題なくやっていける存在なのは間違いのないところ。
次節の愛知学院大戦が試金石といえるだろう。
ここで今日のようなピッチングを見せれば自身が望むプロへの扉が開けるのかもしれない。

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