村西良太投手(近畿大学 4年) 174cm72kg 右投げ左打ち 津名高校卒
2019年度のドラフト上位候補です。
2019年度のドラフト上位候補です。
村西 良太(近畿大) pic.twitter.com/RU6mG9TGmg
— ちなハム (@nhfdraftpro) January 17, 2019
プロ注目の近大・村西146キロ6回2失点 初甲子園で修正能力発揮!/野球/デイリースポーツ online https://t.co/GRfKVY4VG3 @Daily_Onlineさんから
— らす川 (@suzu_rasu) 2019年5月1日
村西 良太(近大)|ドラフト・レポート
連続フォーム
クイック時
リリース (正面)
4月26日に関西学生野球連盟の公式戦を観に行きました。
最速152km/hを誇る本格派・村西良太投手(近畿大学 4年)の投球を見る事が出来ましたので(京都大学との一回戦)簡単な寸表を。
最速152km/hを誇る本格派・村西良太投手(近畿大学 4年)の投球を見る事が出来ましたので(京都大学との一回戦)簡単な寸表を。
投球フォーム
セットポジションから始動し並進(サイドステップ)の最中に頭部が捕手方向へ移動して行く前重心のタイプです。後ろに重心を残さないので軸足の伸展→内旋が早めに起こりますが、左脚を「くの字」に折って着地への溜めを作ります。「でんでん太鼓」のように上体の捻りを加えた後に爪先から接地して行きますが、この際に右腕はトップの位置まで上がっています(早めのトップ→〇)。テイクバックで両側肩甲骨を大きく開けているので、胸が張った形のトップになっています。ここからの投球腕の動きとしては、トップで「回内(前腕)内旋(上腕)」、最大加速期で「回外(前腕)外旋(上腕)」の動きを実現できておりサイドハンド(スリークォーターですかね?)ながら上から叩ける使い方になっています。ここまではベストと言えるフォームですが気になるのはここからです。リリースで左股関節の曲がりが甘い為(歩幅が狭い)、上体が倒し込めずに立ち投げになっています。左腕を真っすぐ縦へと引くような動きを使えていないのも(グラブを高い位置で体に押し当てている)上体の回転を阻害している原因だと思います(せっかく左肩甲骨の開きと閉じの動作を使えているのに勿体ないですね)。その為に腕が最後まで走らず、フィニッシュで体に絡んで来ません。ただ、小柄でスケール感に欠ける体格から最速152km/h(ちなみにこの日のストレートは常時140km/h~145km/hで最速146km/hでした)のストレートが投げられる所以も恐らくここに有り、並進の勢いを左半身全体を使ってブロックする事で投球腕を走らせているのだと思います。※ちなみにクイックモーションではフリーフット(片脚支持)で左膝を高く上げない形で並進(サイドステップ)へ入って行く感じになります。
全般
左半身の引き込みによって、右腕のスイングを導くような上体の回転動作を使えていない事が仇となっている印象を受けます。左半身を上手く使えていない為、投球腕の手先に頼ってコントロールしようとしており球がバラつきます。アマ球界のゾーンならストライクは取れますし、大学生打者が相手であればボール球に手を出してくれるとは思いますが、プロではストライクが取れずに苦しむ可能性が有るように思われます(立ち投げ気味の為、ボールが高めに集まるので打者は高めに張って来るのでは)。又、球持ちが悪いので変化球の軌道に山が出やすく、曲がりが早くなるような事も懸念されます。腕が最後まで振れていないのも災いし、ストレートと変化球の見極めもされ易いような気がします。これを欠点と取るか伸びしろと取るかで評価が分かれると思われますがアーム投法という訳では無く、股関節周辺の硬さ(使い方)だけだと思うので修正が難しいタイプでは無いはずです(リリース~フィニッシュ以外の動作は洗練されていると思います)。クイックのタイム、牽制、フィールディングに関しては調査不足なので割愛します。
総評
どう捉えるか難しい存在ですが、修正可能と判断するのであれば今秋のドラフト会議で指名する球団は有りそうな気がします。ただ、今の投げ方をプロでも続けて行くのであれば、制球難と故障リスク(腕が最後まで走らないので肩等に負荷がかかっているかも)が懸念されます。色々言いましたが、小柄のサイドハンド(スリークォーターですかね?)としては出色のスピード能力を誇る逸材なのは間違いないので、大学最終学年でのアピールに期待したいですね。再び神宮のマウンドに立つ姿が見れるのを楽しみにしたいです。