連続フォーム
ワインドアップ期
ワインドアップ期
ハンズセパレーション期
ヒップファースト期
サイドステップ期
トップ期
リリース期
フォロースルー期
フォロースルー期
フィニッシュ期
フィニッシュ期
フィニッシュ期
フィニッシュ期
考察
よく覚えてないのですがセットポジションなのでランナー有りの場面での投球フォームかもしれません。 三塁方向から見ただけでは気づきにくいポイントだけを考察して行きます。
ハンズセパレーション(グローブと投球腕との分離)の辺りから軸足(右脚)の膝を折って行きますが、これによって「重心が下がって球に角度(縦の角度)が付きにくくなる事」や「軸足の内旋動作を早期に起こしてしまう事(フォームに溜めが無くなる事)」が懸念されます。軸足の膝を折りながらヒップファーストの動作に入るので重心が下がりますが、その影響もあってパワーカーブやフォークボールを得意な球種としています。
左脚をピンと伸ばした後に弧を描いて着地して行く動作(4枚目、5枚目)は田中正義投手(創価大→福岡ソフトバンクホークス)にどことなく似ています。サイドステップの途中から左膝を折り「くの字」の形で着地へ向かいますが、この際の(6枚目の写真)左股関節の内旋(内股気味という事です)が強いように見えるので、下半身が開きにくいタイプである事が推測できます。トップで両側の肩甲骨を内転(内に寄せる動き)させていますが、腰椎と胸椎の伸展が甘いので胸が大きく張れていません。胸が張れていないと最大外旋位の角度が深く取れないので、ストレートの球速や質などに影響が出て来るかもしれません(球速は最大外旋位の角度と相関性が有ります)。
プロ野球で活躍するような投手では写真のように、肩が最大限に外旋していくときに、肘の位置は必ず胸よりも後方にあります。
— スポ.ラボ (@Spo_Lab) August 19, 2018
そうすることで、腕がムチのようにしなり、より強い回転をボールに与えることができます。 pic.twitter.com/IjG9nRNIVA
リリースでは頭部を深く突っ込ませる形で上体を倒し込んでいますが(正確には上体を回転させている)、トップの動作で触れた「左股関節が内旋しやすい事」が起因しているものだと思われます。投球動作における回転動作(真横を向いた状態から正面を向く動作)は踏み出し側の股関節(右投げなら左股関節)を支点に行うものですが、その股関節が内旋していると、投げ終わりで左脚に上体が乗り切らずに利き腕方向へ押し戻すような動きが働きます(右投手であれば三塁方向へ体が流れる)。そうなると対角に強いボールが投げにくくなり、ストレートにシュート回転がかかるようになってしまいます。そう言った事も有り、左脚に上体を預けるような形でリリースしているのだと思われます。
リリースする際の右肘は比較的高い位置にあると思われますが、頭部が一塁方向へ突っ込んでいる為、リリースポイントと頭部との間に距離が有ります。それによって上体の横振りを誘発するので、結局の所、ストレートがシュート回転してしまいます。三塁側アングルからの考察で触れましたが、上から叩くような投球腕の使い方になっているにも関わらず、ストレートに縦の角度が付かないのも頭部及び上体の突っ込みに原因がありそうです(先に上体が倒れ込んでから腕が出て来るので球が上に抜ける)。球速140km/h中盤から後半のストレートを簡単に打ち返されてしまう理由はこの辺りになります。プロの世界に進んでからの修正課題になりそうです。
フォロースルーからフィニッシュにかけて左脚のハムストリングスと臀部を使った股関節の伸展動作を起こしていますが、マウンドを捉えている左足の内側(土踏まず側)にしか力が入っていない為、踏み込みの力を利用した股関節の内転(股関節が骨盤を押す動作)と外転(骨盤が股関節を押し戻す動作)を上手く使えていません。それによって尻(骨盤)を押し上げる動作がスムーズに起こらず骨盤が横回転しています。これも投球動作に横の動きを加える事になり制球に影響を及ぼします。やはり、股関節の特性を上手く活かせるような投球フォームを追求する事が課題となりそうです。
まとめ
最速154km/hの本格派という触れ込みですが、ストレートで押し切れず、変化球に頼るような投球になる事が有ります。「縦の角度が付かない事」「球速の割に初見から合わされる事」「シュート回転がかかる事」がストレートについての課題になります。その反面、ゾーンで勝負できる変化球を多数習得しており、実戦力は高いレベルに有ります。考察の方でも修正ポイントに挙げた、左股関節の特性を生かした投げ方を追求して行く事であったり、身体的な特性を変えていくような取り組みが求められると思われます。
プロ入り後
戦力になるまでに多少の時間は必要になりそうですが、素質は高い投手なのでレベルの高い環境で揉まれれば主戦力に成長するような可能性を秘めています。ドラフト会議では2位~4位での指名が有力だと思います。杉山晃基④ 最速154㌔右腕
— おくら (@okura_NHSBC) June 10, 2019
(盛岡大附属→創価大)
全日本大学野球選手権大会
対大阪工業大戦
全奪三振ハイライト
キレのあるスライダー、フォークで空振りを奪取 pic.twitter.com/1IRGo5XSyy
田中正義投手との比較
一部似たような動きをしている箇所がありますが、杉山投手の方がリスクの少ない素材に見えますね。
田中正義投手も復活して欲しいものです。