STANDING TRIPLE

らすかわ@suzu_rasuのブログです。愛知大学野球、大学野球全般、東海圏のドラフト候補、ドラフト候補全般、投球フォーム、打撃フォームに関する記事を執筆しています。

2020年度ドラフト候補

鈴木彩隼投手(西濃運輸)


プロフィール

1994年7月16日生まれ
180cm80kg 右投げ右打ち 
静岡県出身
浜北西高校→静岡産業大学

社会人野球一年目の昨年は公式戦での登板なし。最速147km/h


投球フォーム連続写真
3S9A5018

3S9A5019
両脚を交差させます。

3S9A5020

3S9A5021
グラブを頭上まで持っていくワインドアップモーションを採用しています。
腕から先に動かすことでリズムを作りたいタイプです。

3S9A5023
頭が右足の母指球上に位置します。

3S9A5025
左膝を上げて片脚立位の動作に入ります。
左膝が然程高く上がらないので、右足での踏み込みという観点では不十分かもしれません。

3S9A5026

3S9A5027
片脚立位中に体の軸が本塁方向へ傾きます。

3S9A5028
体の中心を超えるようにして左脚が内側に入ります。
着地の粘りや外力(地面反力)の発揮に繋がります。

3S9A5029
体の中心でグラブからボール(右手)を離し、左右の腕を正対させるような形を作ります。

3S9A5030
股間の両側に入る皺の位置が低く見えます。

「上体」「骨盤」「両脚」
これらの部位が繋ぎ目で屈曲している為、下半身のパワーを上手く使えていないかもしれないですね。
※大きい筋肉である"お尻~裏腿"を一枚岩として使いにくくなり、ステップする際の再現性が下がる

3S9A5030③
骨盤が斜め上を向いています。一般的にはパワーロスしやすい形です。
ただ、ステップ中における「パワーポジション」の形は人それぞれなので、この形でステップするのが合っているという事なのだと思います。

3S9A5030②
片脚立位の時点で頭が本塁方向に傾いていたことも有り、頭と右脚との距離が遠くなります。
右脚に溜めた力を利用するのではなくて、この傾きを利用して踏み込んで行くタイプだと思われます。

3S9A5030④
左腕を内に捻る動きもそれほど取り入れておらず、"開きを抑えて後ろで溜める"ような意図は感じられません。

3S9A5031
右手が上がり切る前から左胸が本塁側に開きます。

3S9A5032
両膝が深く折れる形でのリリースとなる為、地面反力は得られにくいかもしれませんね。

3S9A5032①
右の掌が三塁方向を向く形でのフィニッシュ。 腕への負担を逃がせています。

3S9A5033
右肩を本塁側へ向け、上体を最後まで回します。
この時は上体の倒しこみがやや甘めですが、他の投球動作では深く倒しこめています。

3S9A5034
右足の裏が上を向きますが、左脚が外(一塁側)に回っている事も有り骨盤が横回転します。
本塁方向へ力を集約させている時間がやや短いですよね。
左右に荒れる原因になるかもしれません。

3S9A5035


まとめ


動作の早い段階から前へ突っ込んでいくようなタイプの投げ方です。
左肩の開きが早く、リリースする際も左半身に壁を作っていません。
投げ終わりでは体を一塁側へと振ります。

3S9A4638
この時点で左胸と骨盤が前を向き始めていますよね。

3S9A4641

3S9A4643

3S9A4907
正面から見るとわかりやすいのですが投げ終わりで体が一塁方向へ流れます。

これらを踏まえると、左右に散らして横に曲げる変化球を使う投球スタイルになりやすいはずです。
実際にボールゾーンから入ってくる"バックドア"を使ったりします。

この写真を撮影した試合では立ち上がりにビッグイニングを作られかけて2失点を喫しましたが、
2回以降は立ち直り、修正力の高さを伺わせました。

調子を上げてからは、ボール先行のカウントからでも見逃し三振を奪うシーンも有り、
実戦力の高いタイプだと思われます。

昨年は公式戦で一度も登板しておりませんが、この日もストレートは最速144km/hをマークしていましたし、
一皮剥けた姿が見られる事に期待したいですね。
(ちなみにストレートの最速は147km/hとの事ですがスケール感は然程感じません)

ここまで書いて来て、まだ触れていませんが中日ドラゴンズの鈴木翔太投手の実弟です。
ちなみに大学時代にナゴヤ球場で、この二人は直接対決しています。
(それについてはまた後日)

---------------------------

投球フォームの勉強に最適の一冊です。





4か月ぶりに野球を見ました




3S9A4697
鈴木彩隼投手(静岡産業大→西濃運輸)

3S9A5236
金成麗生投手(日大三→トヨタ自動車)

3S9A5168
岩城駿也内野手(九州産業大→西濃運輸)

2020年のドラフト候補を何名か見たので明日から所見を書いていきます。




プレゼン~山本一輝編①~

年始か昨年末に、山本一輝投手(中京大学 4年)について「ドラフトのボーダー上」みたいな事を書いてしまったので、お詫びにプレゼンをしたいと思います。

無理やり褒めるような事をしても審美眼を持つ人には見抜かれてしまうと思うので、本当に良いと思ってる事について書いていきたいと思います。

①体を対角に使えている



3S9A5307

まずは右の上肢から左股関節にかけて斜めに入る皺を見て欲しい。

3S9A5307②

3S9A5307

上体がほどよく前傾する事でスパイラルライン(上肢と股関節を対角に結ぶ動き)が機能し、右腕を内に捻る動きによって、その対になる左足の外側に「マウンドを押すような力」が働きます。

「マウンドを押すような力≒左半身をマウンド上に残そうとする力」でもあるので、右脚も前へと進めなくなり、"右の股関節が内に捻られる"→"右膝が「くの字」に折れる"という連動が起こります(多分)。

プロ野球界でも千賀滉大投手や山岡泰輔投手がこのような体の使い方をしています。


「スパイラルライン」については以下の神ブログを参考にして欲しいです(他力)


3S9A5308

着地に向けては、先程とは逆側に皺が入ります。

3S9A5308②

この皺は右の股関節と左の上肢との間を結ぶので、
右足が着地する動きに合わせて左腕はトップ~リリースへと向かっていく事になります。


②胸を突き出す動作

3S9A5308

この際に左の股関節が内に捻られても下半身が開いていない事(骨盤が一塁側と正対したまま)がまず素晴らしいのですが、
もう一つ見て欲しいのが、右腕を上体に引き込む際に右の手首から引き込もうとしているところです(早めに右肘を折っていない)。

これによって何が起こるのかと言うと、右の鎖骨と肩甲骨が大きく動き、「胸を突き出すような動作」で上体が正面を向く事です。

(ここから突然、違う試合の写真になってしまってすいません)
3S9A9762

3S9A9762①


「胸を突き出す動作」については以下の神ブログを参考にして欲しいです(他力)

右胸を突き出す事によって、右の上肢から左の股関節を引っ張り込んで行くような連動も発生する気がします。

3S9A5319

3S9A5319

軸脚の下肢三関節が直列に近い形になり、全ての力がリリースへと集約されて行きます。

ここまで書いてて思ったのですが、
ソフトバンクホークスの三軍で鍛えたら、とてつもないピッチャーになるのでは・・・

「プレゼン~山本一輝編②」~に続きます





大道温貴投手(八戸学院大学)のピッチングフォーム②

前回の記事


3S9A1021
この形がめちゃめちゃ×100、素晴らしいです。
股間の両側に皺が入り股関節を曲げた形で骨盤から上が前傾出来ています。
この形であればステップ動作が安定し、スムーズに重心移動させる事が出来ます。

右脚で右手を隠しているのもポイントです。
打者からボールが見えないので合わされにくくなります。

3S9A1021②
片脚支持の際に働いていた「マウンドを真下に押すような力」を水平方向へ変換します(右脚についた斜めの矢印)。
この際に右脚に体重がかかって動作に溜めを作れているので、左脚を内側に向ける力が働きます。
上体の動きとしては左腕が内に捻られて、グラブの小指側が真上を向きます(体の開きを押さえる動き)。

3S9A1021④
上体が前傾する事で、頭が一塁方向へ流れにくくなるので、この先の動作で体幹を使いやすくなります。

3S9A1021③
・・・と言った感じの動きが色々働くことによって、
左半身には捕手方向へ進もうとするような力、
右半身にはプレート側へ残ろうとするような力が働きます。



この動画の15秒のところから見ていただくとわかりやすいと思います。
右半身は止まっているように見えるのに左半身だけが大きく動いていきます。


3S9A1022③
片脚立位以降のフェーズで作った「マウンドを押すような力」が解放され、右脚もステップ動作へと移ります。
右脚に示した矢印は俗に言う「地面反力」です。
右の股関節に体重を預けながら飛べているのでパワーロスもしていません。

3S9A1022
右膝が内に入る事で右半身も本塁側へと向かい出しますが、
このままの勢いで捕手方向に進んでしまうと上体の動きが間に合いません。
左脚を内に捻る事で左足の着地を遅らせつつ、
左肩を内に捻りながら胸椎(上体)を右に捻る事でステップの動作に間を設けます。

3S9A1022②
右半身の側部に沿ってコンパクトなテイクバックで右手を引き上げるので、
ボールが隠れながらトップへ向かいます。

3S9A1023

加速期のフェーズです(トップのフェーズが抜けているので後日補足します)。

強い胸の張りによって骨盤の前傾を引き出せている為、軸脚の三関節(股関節、膝、足首)も伸びております。
この際に右腕が後ろに取り残されたような状態になっており、「しなった下敷き」のような形を作れています。

これによって全身の力を使ったリリースが実現できるため、
スピードガン表示以上の印象を与えるストレートを投げる事が出来ます。

3S9A1024
上体を左の股関節へ預けるような形で倒しこんでいますが、左膝が深く曲がっています。

3S9A1025
上体の倒しこみが深く、左の股関節を支点とした形でボディターンを出来ているように見えます。

3S9A1026
ここから左膝が張られて全身が伸びあがるような形になります。
右足の裏も真上を向きます。

3S9A1027
一度沈み込んでから、伸びあがる感じになるので、ここで動作にブレーキがかかります。


大道投手のピッチングフォームについては語りたいことがたくさんあるので、まだまだ続きます。
(今回の記事は勢いで書いたので後程加筆修正します)。






大学日本代表候補



右腕
苫小牧駒大・伊藤大海(4年 駒大苫小牧)
八戸学院大・大道温貴(4年 春日部共栄)
明治大・入江大生(4年 作新学院)
立教大・中川颯(4年 桐光学園)
慶応大・木沢尚文(4年 慶応)
東海大・山崎伊織(4年 明石商)
日体大・森博人(4年 豊川) 中央学院大・古田島成龍(3年 取手松陽)
慶応大・森田晃介(3年 慶応)
早稲田大・徳山壮磨(3年 大阪桐蔭)

左腕

東北福祉大・山野太一(4年 高川学園)
法政大・鈴木昭汰(4年 常総学院)
早稲田大・早川隆久(4年 木更津総合)
筑波大・佐藤隼輔(3年 仙台)
日体大・矢沢宏太(2年 藤嶺藤沢)

捕手
上武大・古川裕大(4年 久留米商)
東洋大・山崎基輝(4年 愛工大名電)
立命館大・栄枝裕貴(4年 高知)
早稲田大・岩本久重(3年 大阪桐蔭)
中央大・古賀悠斗(3年 福岡大大濠)

内野手
中央大・牧秀悟(4年 松本第一)
近畿大・佐藤輝明(4年 仁川学院)
東北福祉大・元山飛優(4年 佐久長聖)
国学院大・小川龍成(4年 前橋育英)
桐蔭横浜大・渡部健人(4年 日本ウェルネス)
九州産業大・児玉亮涼(4年 文徳)
関西大・野口智哉(3年 鳴門渦潮)
立教大・山田健太(2年 大阪桐蔭)
立正大・奈良間大己(2年 常葉大菊川)

外野手
東海大札幌キャンパス・赤尾光祐(4年 東海大相模)
中央大・五十幡亮汰(4年 佐野日大)
独協大・並木秀尊(4年 川口)
同志社大・小川晃太朗(4年 龍谷大平安)
慶応大・正木智也(3年 慶応)
中央大・森下翔太(2年 東海大相模)

---------

4年生は9割近くがドラフトで指名されそうですね。その中でもドラフト1位級として山崎伊織、森博人、早川隆久、古川裕大、佐藤輝明、牧秀悟、五十幡亮汰らの名前が挙がりますし、近年稀に見るハイレベルなメンツになりました。

投手層の厚さは勿論のこと、遊撃手や外野手にも人材が集まり、本代表入りを賭けた選考合宿では熱い火花が飛びそうです。

見て欲しい選手はたくさん居ますが、ハイレベルな人材の集まる遊撃手の中でも際立つような守備力を見せる児玉亮涼選手が一押しですね。軽快な足捌きに注目です。


732A1338

代表候補合宿は3月16日(月)~3月18日(水)の日程で「バッティングパレス相石スタジアムひらつか」にて行われるそうです。



いおりん

noteに山崎伊織投手の投球動作に関する考察(後編)を書きました。



3S9A3559

3S9A3778

3S9A3515

いやぁ、ブログの更新をする気が起きないですねw とりあえず愛知の大学野球について書かないとって感じですね。1~2部、各チームの注目選手について寸表込みで書いていきますね。春季開幕までには全部書きます(多分)。そういえばアクセス数が少しだけ復活してきました。特徴を出していかないと今時ブログなんて読まれませんよね。ネタは無限にあるからモチベと時間なんですよね。


一年の計は元旦にあり

あけおめことよろ
全然更新しない事も有り、開設以来ダントツでワーストのアクセス数ですw
昔は何も書かなくてもPV400~700ぐらいあったんですけどね。時代の流れなのか俺がオワコンなのか…

3S9A3754

3S9A3559

新年一発目のnoteは大学球界ナンバーワン投手の山崎伊織投手(東海大学)について書きました。肘の調子が良くないそうですが復活すれば2020年NPBドラフトの1位指名が約束された投手です。
そんな山崎投手の投球動作を分析ました(前編後編のうちの前編です)。






RSS
このブログに関しての説明
主に愛知県のアマチュア野球に関する観戦記です。 一般人による運営ですので内容に誤りがある事を前提として閲覧してください。 又、公開に関して問題があるようでしたらコメント等にて一報いただければすみやかに対処させていただきますので宜しくお願いいたします。
記事検索
カテゴリー
タグクラウド
QRコード
QRコード