STANDING TRIPLE

らすかわ@suzu_rasuのブログです。愛知大学野球、大学野球全般、東海圏のドラフト候補、ドラフト候補全般、投球フォーム、打撃フォームに関する記事を執筆しています。

日本製鉄東海REX

孕石幸寛投手(日本製鉄東海REX)

プロフィール

187cm77kg 右投げ右打ち
島田工業高校(静岡)→東海大学海洋学部(東海地区大学野球連盟・静岡県リーグ)
高校3年の夏は浜松西を相手に初戦で敗れる。
大学1年秋より頭角を現し、大学3年春季シーズンに5勝を挙げて最優秀投手賞を獲得。
2022年度から社会人入り2年目となりドラフト指名対象年となる。

社会人入り1年目の春から主戦格として頭角を現し、日本選手権一回戦などで5試合で先発。
防御率、被打率、与四球率の全てで優秀な数字を残した。奪三振能率、平均球速の向上が課題。



投球動作

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セットポジションから始動

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グラブを顔の位置まで上げて、左膝を胸の高さまで引き上げます。

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胸の正面で両手を割ります。
この位置で両手を割ると頭が右脚側に寄り難くなります。

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右膝を深く折って「ガクーン」と真下に落ちる重心移動。
片脚立位(3枚目)で左膝を胸の高さまで上げた動作が無駄になってる感じを受けます。

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頭が背骨の真上に位置し、脇腹が両側とも縮みません。
右股関節の屈曲も甘く、背中側に重心が落ちます。
お尻やハムストリングス、右股関節を使った並進動作になりにくく、
不安定な動きになるかもしれません。

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下半身の使い方はやや気になるものの、右手の上り方が良く、早めにトップを作ります。
左肩とグラブも高い位置でキープ出来ています。
両肩のラインが左肩下がり(突っ込み気味)になっているのが少し気になりますが許容範囲に見えます。

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左手と左肩が腰の位置まで下がり、右腕が振られます。
打点の高い極端なオーバーハンドです。

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左膝を伸ばす動きが遅く、骨盤の縦回転が遅れています。
上体の倒しこみ(回転)がやや先行していますね。

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ここで骨盤が縦に回り、重心が上がってきます。

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このアングルから見た投球動作はこんな感じです。
ステップの入り~ステップ動作に改善ポイントが見受けられますね。
言い換えると、まだまだ良くなるという事になります。

まとめ

昨シーズンは二度程、先発登板した姿を見ました。公式戦での防御率が1点台ということもあり、試合を作る能力に長けています。

ゲームメイクは出来るものの、球が左右に散る印象がありゾーン勝負しにくい投球スタイルです。
その為、テンポがあまり良いとは言えず、投手戦の展開になっても勝ちを呼び込む空気になりにくいところがあります。

一部では「上位候補」の呼び声も有りますが、昨年のドラフト会議で指名されなかった東海地区の投手との比較をした際に、それらの投手よりも秀でているかと言われると、「うーん」という感じがあります。対象年となるのは今年なので、一冬超しての成長次第でしょうか。

チーム内での信頼も勝ち得ていますし、雑誌に名前が載るぐらいなので、見えないところでの評価が高いと言うのは間違いなさそうです。大ブレイクを遂げて東海地区の社会人野球をリードして欲しいですね。

はらみいし

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次は孕石(はらみいし)投手について書きます。
東海大海洋学部出身なんですね。
最近は静岡リーグが熱いな。

吉位翔伍内野手(中京学院大学→日本製鐵東海REX)

たまにはバッターの話でも。

大学時代は日本代表候補合宿にも参加した社会人野球1年目の選手。1年目からレギュラーを獲得し主に二塁手で出場。上位打線を任されています。

以下、バッティングフォーム(※二枚目からが連続写真です。意外と構えからは撮り忘れるものですw)
JABA高山大会(伏木海陸運送戦)でのシーンです。
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右脚を引き上げます。

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右脚を引き上げきったところでお尻が下に落ちます。最近は前傾気味に打つ選手も多いですが、吉位選手は後傾気味です。左打者なので走り出しを意識しているのかもしれないですね。

この時、ユニフォームの右の脇腹部分に皺がたくさん入っています。緩急対応、スイングの連動性、どちらについても有効性のある動作です。

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爪先から着地してトップに入ります。

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スイングにおける「振り出し」です。左脚を上げたところではユニフォームの右側に皺が入っていましたが、今度は左の脇腹に皺が入ります。

「脇腹が使えている」

これは「体幹が使えている」とも言えます。
(それについてはまた何処かで)

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このスイングでは前脚に乗り切れず(前脚で間を取って)腕での対応になっています。

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払うようにして外野へ運びました。

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右脚を上げてボールを待つ動作を三塁側から見るとこんな感じです。

左の股関節があまり曲がっておらず背中側に重心が落ちています。こういう感じでスイング動作に入ると、真ん中から内の球は綺麗に振り抜けるのですが、外角は当てに行くだけになったりします。

しかし、実際の吉位選手の打撃は外は割と強く叩けて、内角の捌きを苦手としています。

これは大学時代の打撃なので今と変わってる部分もありそうですが、この時は、内寄りの球、外寄りの球、どちらも両肘を伸ばして打っています。

一塁への走り出しを意識して背中側に重心を置いて打っているのですが、それだと外角が遠くなるので両肘を伸ばして捉えているのだと思います。

内角についても同じようなスイングで対応しているので、詰まらされると厳しいのかもしれません。

ちなみに2022年以降のドラフト対象選手です。

吉位選手のプロフィール(REXのサイトより)





difficult

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バントでボールがバットに当たる瞬間を撮るのは実は難しい。
狙って一発で撮るのも連写で撮るのも(これは連写のコマ数によるか)、どちらも難しいです。
バッティングのインパクトを撮る方が遥かに簡単です。

本当は渕上投手(トヨタ自動車)の投球動作の記事書きたかったけど今日は眠くて無理。






浦本千広投手(日本製鉄東海REX)連続フォーム写真

2021年3月21日 対JR東海戦にて

連続フォーム

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真①~⑥枚目

セットポジションから始動。
グラブを顎のあたりに固定して左膝を胸まで上げます。
下半身から大きく動かす事でリズムを取りたいタイプです。
ステップからボディーターンにかけて下半身が開きにくい人に見られる動作です。
下半身が開きにくい=前脚の股関節が外へ回りにくい
という事なので、浦本投手の身体的特性にマッチしています。
(本当に開きにくいかどうかはこの先の動作で分かります)

左膝を胸の高さまで上げるので右足にほぼ全体重がかかります。

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写真⑦枚目~⑫枚目

右の股関節を曲げてステップの準備に入ります。
その動作を利用するように右手を下に落とします(グラブから右手を抜きます)。
腕の動きを下半身と連動させる事によって、右腕を脱力させやすくなりますし、
この先の動作も下半身から主導する形で行いやすくなります。

写真⑨枚目、⑩枚目では、右の股関節で体を受けるようにしてヒップファーストに入ります。
右の股関節は地面を押し、地面は右の股関節に力を返そうとします。
この状態を作る事でステップの推進力が生まれます。

右膝から体を曲げてヒップファーストに入ると、この作用が発生しにくく重心移動が強まりません。
そうなるとお尻や股関節(大きい部位の筋肉や関節)を使って体を前に運べなくなり、動作が不安定になります。
コントロールが悪い投手は、この重心バランスの使い方を苦手としている場合が多いです。



(軸脚の伸展で上体を前に押し出すのではなく、右の尻を使って体を前に運ぶのが理想的です)

写真の⑪枚目、⑫枚目では、右の股関節に体を預けた状態で左手を高く上げています。
「(二塁側へ)傾いた軸を戻す」という工程が生まれるので、ステップ動作の時間が長くなります。
それに加えて、左手を下ろす動きを利用して右手を上げて行けるので、
これを取り入れると何かと有利だったりします
(ただし下半身の使い方が悪いと制球難の原因になります)。

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写真⑬目、⑭枚目

ステップ~リリースの動作ですが、重心移動を保ちながらステップしているので上体が突っ込まない形でステップ出来ています。
又、左足がマウンドに接地する直前の段階で右手が肩の位置まで上がっています。
この先でトップに入る事を考えるとベストな状態にあると思われます。
左右の脇腹の長さが同じぐらいに見えるのだけが少し気になります。
ここで右の脇腹が縮んでいると、より腹斜筋が使えて球速アップに繋がる気がします。

⑬枚目、⑭枚目のどちらの動作でも左膝が体の内側を向いています。
写真①~⑥枚目のところで触れた、「下半身の開きにくさ」がこれに当たります。
左の股関節(左足の付け根)が内に向くクセがあるので、
投球動作の初期段階から左脚を先に動かしていて行きたいのだと思われます
(無意識下の話でしょうが)。

⑭枚目の写真がリリースモーションに当たりますが、左膝と右膝の角度が大きく保たれ、
胸が左の太腿に寄っています。
体重移動を利用してリリース出来ているので力のあるボールを投げられるのではないでしょうか。
股関節同士も寄り切っており、ヒップローテーションの観点から見てもほぼ申し分ない形のように思えます。




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写真⑮枚目~⑱枚目

上体に絡むように腕が振れていて、右の肩甲骨が捕手側に向くように投げ終えています。
腕を振っているのではなく、胸の回転によって右腕が末端加速されている証拠です。
実際、ネット裏から見ても腕振りの速さが印象に残りました
(そういう投手はリリースモーションの撮影が難しい)。

横向きから一気に体を正面に向ける為、タイミングが合わせにくく、
これが上手く機能すればストレートと変化球との見極めも困難になります
(変化球で腕が緩みにくい)。

上体が前に倒れこむのと同時に右足が上がり、スパイクの裏が真上を向きます。
この時の骨盤の倒し方がやや甘いように見えます。
ステップ動作での勢いが少し足りないのかもしれません。
モーションの安定やスタミナの維持を優先させているのかもしれないので、
改善点とまでは言えませんが、球速を上げる余地は動作内に残されているように見えます
(骨盤が前に倒れ込めば、更に体重をボールに乗せやすいという意味です)。

まとめ

洗練された縦回転フォームです。
ボールの角度が縦に付く投げ方なのでストライクゾーンで勝負出来ますし
(バットの面をボールの軌道に入れにくい)、地面反力を使うのが上手いので、
身体に負担がかかりません(助走を付けた外野手の送球動作に近いです)。
今年の社会人投手全体を見渡しても上位レベルの投球動作ではないでしょうか。

ここでは触れ切れなかったポイントとして、肘の使い方の良さも目を引きました。
その他の動作と合わさって故障リスクも低いように思えます。
アマチュア投手達の教材になりうる存在ですね。

右の早川(浦本千広投手 日本製鉄東海REX)

以下、3月20日に岡崎市民球場で行われた、
対JR東海戦での浦本千広投手(日本製鉄東海REX)のピッチングについての感想です。

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いや、リリース付近のモーション似すぎでしょ(笑)
心無しか顔つきも似てる気がしますね(笑)(笑)

参考にしたのかどうかまでは不明ですが、動作が似てる時点でピッチングも似てくると思うんですよね。

実際、ゾーンの左右を狭く使って縦に角度のあるストレートを投げ込んでいたのでテンポが良かったです。

序盤の感想としては、ややパンチが足りない気がしましたが、味方の連続エラーの場面も冷静に切り抜け、
合わされ始めた三巡目以降からは縦のスライダーを多用してポップフライを量産しました。
先発投手に必要な投球術の奥行きを持っている事が、この投手の強みかもしれません。

又、地面反力を使うのが上手いのでフォームの再現性が高く、腕の振りもかなり鋭く見えました。


スカウトの人が見ればわかると思うのですが、地面の反力を上手く使えていますよね。
筋肉からじゃなくて骨から動かしつつ、それでいて反力も使えているので終盤でもスピードが落ちないのだと思います。

・・と言う感じで、どこを取ってもセンスのある投げ方でした。 終盤まで146km/hを計測していましたし、
シーズンの何処かでNPB入りへの執念を感じさせるようなシーンが有れば今秋のドラフト会議で指名されてもおかしくないという気がしました。


実は大学時代に選手権でも見たことがあるのですが、そのころと比べて随分フォームが変わっているように見えました。

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こんなに変わってるんですよね。 上から叩く事の有用性に気付き、その理屈を正しい方向でフォームに反映させています。

この投手、過去にトミージョン手術を受けているそうですが、その理由がさっぱり分かりませんでした。
肘を鋭角に使えているし(中日ドラゴンズが指名するタイプ)、歩幅も適正、リリースで軸脚の股関節が外に広がるようなことも無い。

なので大学時代の投球フォームを調べてみたのですけど、当時は今よりも歩幅が広かったようですね。



そのせいで体重移動や重心移動が損なわれて、肘に負担がかかったのだと思われます(山崎伊織投手も多分それが原因)。

今のフォームは故障リスクも低いですし、アマ投手の方々のお手本になりうると思いますね。



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