トヨタ自動車

栗林良吏投手(トヨタ自動車)の投球フォームに関する考察①


上記のリンク先の記事に素材として使った連続写真を掲載しています。

以下、考察して行きます。(個人的な意見です)

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ランナーを背負っていない場面でもセットポジションから始動。

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ワインドアップやノーワンドアップと異なり、
右足の母指球上に頭部を置いたところから始動します。
打者と正対しませんし、再現性に優れます。

3S9A1281

正中線を割らない形で左膝が胸まで上がります。

3S9A1282

左膝が高く上がる事で右足でマウンドを踏む力が強くなります。
栗林投手はこの動作の時間を長く取っています。

ピタッと止まるような「静から動」のイメージよりは、
マウンドを踏み込み続ける「動から動」のイメージなのかなと思います。
(本人に聞いてみないとわかりませんが)

3S9A1283

上体の真ん中で両手を離します。

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左腕から先に出して行きます。
ここまでは菅野智之投手の投球動作と同じ流れですね。

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左脚が正中線を越えて二塁ベース側へ入ります。
左腕が明確に先行します。
これも菅野投手と同じ動作ですね。

腕を先行させた方が体に溜めを作りやすいタイプなのだと思われます。

(全ての投手に当てはまる訳でも無いと思います)

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左腕を少しだけ内に捻っています。

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両側の股間に深い皺が入ります。

3S9A1286I③

左の尻が本塁ベース側を向き身体が傾きます。
この傾きを作る際のポイントは右の股関節から体を折っていく事です。
身体に傾きが付くので上体が前傾し、「TOYOTA」のマークがマウンドの方を向いています。

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上体に傾きを作れているので、頭部が右の股関節上に位置しています。
「溜め」のある投球動作だと言えそうです。

3S9A1286I⑤

左のお尻が本塁ベース側を向きます。(右のお尻も少しだけ本塁ベース側から見えてると思います)
右脚にはマウンドプレートに残ろうとするような力が働いていると思われます。

3S9A1287①

右側の股間、高い位置に深く皺が入ります。

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ここで骨盤を三遊間に向ける事で左足の着地を遅らせる事が出来ます。
(単純に骨盤の回転する距離が伸びるので)

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右の股間に深い皺が入る=骨盤が三遊間を向くという事になりますが、
同時に骨盤は下にも向きます。

骨盤が下を向けば必然的にお尻は上を向きます。

この状態から本塁側へ踏み出して行けばお尻、裏腿といった大きい部位の筋肉を使えますし、
骨から動かして行くような動作になる為、再現性も向上します。
(大腿四頭筋のような小さい筋肉を主導として踏み出すと疲れた時に再現性が下がります)

パフォーマンス維持、制球力の向上に直結しますし、変に沈み込まない為にも大切になる動作だと言えます。

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右の脇腹が短くなり左の脇腹が長くなります。
両肩を結ぶラインに傾斜が付くので頭が後ろに残りやすくなります。
頭が後ろに残る=重心が後ろに残るという事なので、
これも左足の着地を遅らせるのに有効です。

単純に肩のラインに傾斜を作れば良いという訳でなく、
右の股関節から体を折る事が大事でして、
ここで右の股関節に体を預け切れていないのに両肩のラインに傾斜を付けると制球難の原因になります。
(球が上下ブレしやすくなる)

3S9A1287③

グラブの小指側が上向きになり(そこまで明確に上向きにしていませんが)、
左腕は更に内へと捻られます。

この左腕の捻りが右脚に関する部位にも作用し、体を後ろに残そうとするような連鎖が発生します。

以下のリンク先に有るブログ記事を読んでいただくとなんとなく理解していただけるかもしれません。



BCリーグ福井の高橋投手が発信している内容も概ねこれに近い事だと思います。

この連鎖は、お尻が下向きになっていたり、上体の前傾が保たれていないと起こり難く、
故障しやすい投手、制球難の投手、球が速いのに打たれる投手等は、
この動作に問題が有る場合も多かったりします。

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左腕が上体に引き寄せられ右脚が伸びます。
身体が前へと進むので左足が着地します。


捕捉しますと、

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右足でマウンドを真下に押していた時の力を
(まずは正中線を割らず真っすぐに左脚を引き上げる)

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左脚を内に入れる動作で切り返して
(最初から左脚が正中線を越えてしまうと揺り戻しによる開きの早さに繋がります)

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本塁側へ踏み出して行く為の力を生み出しているという感じではないでしょうか。


3S9A1288①

これは右手が頭の後ろに入る「トップ」という動作ですが、
胸が強く張れていますし骨盤も概ね三塁ベース側に正対しています。

投球動作は横向きの時間が長い方が良いと言いますが、そのような形になっています。

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ちなみに大学時代(2018年撮影)はこんな感じで、上体も下半身も開き気味になっていました。

頭が前に移動し始めていますし、後ろに残したエネルギーを一気に解放するという観点から見ても、
パワーロスしていたと思われます。

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3S9A1288②

トップの動作で気になるのが右脚がピンピンに伸びている事ですね。 
股関節の内旋角度に関する柔軟性に課題があると思われます。 
この時点で伸び切りすぎていると、リリースで右膝が深く折れてしまいます。

3S9A1289②

右手の内側が三塁ベース側を向く事で腕にかかる負担を逃がせています。
リリースポイントとしても打者寄りになっている印象を受けます。

許容範囲に見えますが、右膝が折れてお尻も落ち気味になっています。
この時の両膝の角度が計360度に近づくほどボールに力が加わりやすくなると言われています。

3S9A1290①

右肩が本塁ベース側へ向き、上体を概ね水平に倒し込めています。

右腕が上体に絡んでいますし、いわゆる「手投げ」ではなく上体を回し切って投球出来ています。
変化球でも腕が振れますし、肩への負担も逃がせていると思います。

3S9A1290

ここからは、ややネガティブな話になります。

右脚が外に開き、頭が一塁ベース側に落ちています。

上体は一塁ベース側、右脚は三塁ベース側へと向かうので力の方向を本塁ベース側に集約できません。
ストレートの投げ分け(左右の)が今一つ上手くない理由はここにありそうです。

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左脚も右脚も外に開きます。

股関節同士が遠くなるため、体を左右に割くような形になり不安定です。

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爪先が外を向きます。
やはりパワーロスの要因になるような気がします。


後書き

動作の終盤でややネガティブな事に触れましたが、
逆に言えば、まだ伸びしろを残しているという事ですし、
制球面、球の力については更に良くなる可能性を秘めています。

この連続写真だけだと、触れ切れていない動作があるので、
「栗林良吏投手(トヨタ自動車)の投球フォームに関する考察②」の記事に続きます。




栗林良吏投手(トヨタ自動車)の投球フォーム連続写真

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3S9A1282

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とりあえず一連の連続写真のみ。考察は明日アップロードします。




「かねなり」だと思ってました



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7月22日 西濃運輸戦(練習試合)での投球フォームです。

ランナーを背負った状態でのリリーフ登板で打者一人に投げてストレートの四球を与えての降板となりました。 

この記事の冒頭に貼った動画でも右打者の外角高めへと球が大きく抜けて行くシーンが有りますが、
そうなってしまう理由は、

「トップを作るのが遅い」
「下半身の開きが早い」
「内に入り込む右脚」
「リリースから投げ終わりにかけて軸足が外に膨らむ」
「体を対角に使えていない(体幹を中継して対となる四肢を連動させられていない)」

この辺りになるかと思います。

投球シーンの動画や写真がほとんどみつからなかったのですが、以下のリンク先に分かりやすい写真が載っています。

日大三 「デカプリオ」金成が好投 ドラフト候補対決に11球団スカウト集結


右股関節が内に入り、左股関節が一塁側へ流れるようなリリースモーションです。
これによって上体が回り切らずボールが左上に抜けて行きます。

全般的な分析(といえるようなものでもないけど)は後日書かせていただきます。




4か月ぶりに野球を見ました




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鈴木彩隼投手(静岡産業大→西濃運輸)

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金成麗生投手(日大三→トヨタ自動車)

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岩城駿也内野手(九州産業大→西濃運輸)

2020年のドラフト候補を何名か見たので明日から所見を書いていきます。




中国地区大学野球連盟に集まる熱視線







加盟校の福山大学が5月上旬まで休校だか活動停止で参加できないので、残りの5校だけで試合を消化して行くそうです。個人的には賛成も反対も無いのですけどクラスター対策はどのぐらいしているんですかね?

中国地区大学野球連盟は地味なエリアと思われがちですが、秋の神宮大会に強い環太平洋大学を筆頭に、全国制覇の経験がある東亜大学、同一年度のにNPBへ二人の投手を送り出した岡山商科大学、二年前の選手権で8強入りした徳山大学等が名を連ねており実際には強豪エリアなんですよね。今年も140km/hを超す投手が目白押しのようなので新たな歴史に名を刻むのかもしれません。

中国地区が生んだ名選手達(見たことがある人のみ)

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中熊大智捕手(徳山大学→西武ライオンズ育成ドラフト3位)
徳山大の全国8強入り(2018年春)に貢献した強肩捕手(2塁送球タイム1.8秒台)。プロ1年目の昨季はイースタンでもマスクを被れず。奮起に期待したい。



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西山雅貴投手(環太平洋大→日立製作所) 
岡山理大付→環太平洋大学という純・岡山産の実戦派投手。全国経験豊富で昨春の選手権では最速142km/hをマーク。
今年からは岡山を離れ日立製作所でプレーする。吉備団子不足に注意。

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高祖健輔捕手(環太平洋大学→トヨタ自動車)
2017年の明治神宮大会で環太平洋大学をベスト4に導いた立役者。 社会人に進んでからの主な実績は「クーニンTVで佐竹にダメ出しをされた事」。







嘉陽宗一郎投手(トヨタ自動車)

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嘉陽 宗一郎(トヨタ自動車)|ドラフト・レポート

187cm87kg 松山聖陵高校から亜細亜大学を経て社会人野球2年目。
2019年度ドラフト候補選手です。亜細亜大学時代はプロ志望届を提出するも指名漏れ。

以下、投球動作の考察。(3月23日JR東海戦より※6回無失点1安打ピッチング)

同一動作内での連続写真
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【セットポジションより始動】

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【左膝が腰の位置より上がる】

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【ハンズセパレーション(グラブから右腕を抜く)】

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【右腕の脱力】
【突き出したグラブの小指を上に向ける】
【角度が浅めのヒップファースト】
【パワーポジション】

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【グラブを高く上げる】
【右わき腹の収縮】
【尻が落ちない(骨盤が後傾しない)】

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【軸足(右脚)の膝が内に入る】
【爪先から入る接地で着地を遅らせる】
【ストライドの角度が浅い】
【右腕の上りが遅い】

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【軸足の膝が深く折れ右の尻が落ちる】
【打者寄りでリリース出来ていない】

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【右手の掌が三塁方向を向く】

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【左脚のアクセル筋群(ハムストリングスと臀部)による伸展】

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【右足のスパイク裏側が天を向く】

以下、補足カット
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【右腕の上りが遅い】
【右股関節から左股関節への重心移動】
【踏み込みの反力を左股関節に伝える】

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【右肩甲骨を閉じる動きが使えていない変則的なトップ】

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【左肩甲骨を閉じる動きで体幹を回し始める】

3S9A3352
【左のわき腹を収縮させる(体を縦に使う意識)】

3S9A3358
【左の肘が股関節辺りまで下りる】
【右膝が外へ逃げ気味(内転筋による引き込みが甘い)】

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【右腕が上体へ絡みつく】
【骨盤がやや横回転(右膝から下が三塁方向へ振られスパイクの裏が天を向くのが早い)】


総評


縦の角度がある球を両サイドへ集めるスタイルという事も有り、縦回転寄りのフォームであると思われます。セットポジションからの始動で、ヒップファーストでは体軸に傾きを作らず、尻をあまり落とさない形でステップに入ります(ハムストリングスや臀部のパワーを利用しやすいと思われます)。ステップする際の股関節可動域はやや狭く、下半身の柔軟性に課題を残しているように見えます。爪先からの接地を採用し、左股関節への重心移動を遅らせるような意図を感じるさせていますが(左足がマウンドに着くのを遅らせている)、それでも右腕の上りは間に合っていないように見えます。トップの形はかなり独特で、右の肩甲骨は開き(外転)で左の肩甲骨は閉じられています(内転)。肩甲骨周辺が硬いという事であれば左の肩甲骨も閉じられないと思うので、もしかしたら右の肩甲骨周辺や肩関節を痛めた経験が有る為にそうなっているのかもしれません(一種のアーム投法ですかね)。そういった身体的特性が影響しているのか、左腕と左肩甲骨の引き込みによる上体の回転動作が始まっても、まだ右腕のスイング動作が始まっておらず、所謂「開きが早い」という状態になっています。そういった事も有り制球難に陥りやすいタイプの投げ方に分類されそうですが、実際の投球内容としては概ねゾーンで勝負出来ており、制球が大きく破綻するような事は有りません。下半身の柔軟性がやや欠けているせいか骨盤も横に回転しているように見えますが、その影響もほぼ感じられません。ステップからリリースへ向けての動きの中で、高く上げたグラブを長く縦に下ろす動作を採用していますが、それによって動作全体の修正が図れているのかもしれません。球速帯としては大体140km/h付近でそれほどスピード能力に優れている訳ではないのですが(最速147km/h)、出力を制御する事で投球のまとまりを得ている可能性も考えられます。洗練された完成度の高いフォームとは言いにくい所も有りますが短所を上手くカバー出来ており、動作を修正する感覚に優れている投手だと思われます。将来的な完成形は同じく亜細亜大学出身の九里亜蓮投手(広島カープ)辺りでしょうか。現実的なドラフト候補として台頭できるかは今後の活躍次第だと思われます。




大学生の進路③


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写真は大学最終登板となった愛知・東海・北陸三連盟王座決定戦です。試合会場となった浜松球場はグラウンドに「光る物体」がたくさん落ちていてそれが全部ホワイトピクセル化するし、一塁側三塁側から撮影できるポイントが無いし二度と行きたくないですね(笑)

ドラフト会議の直後だった事もあってか(残念ながら指名漏れ)、昨年(平成30年)見た中ではワーストの出来と言えるピッチング内容でした(リリーフで登場)。テンポが悪くストライクも先行出来ず、リーグ戦で見せたような流れを引き寄せる投球はできなかったように思います。プロ入りへ向けて頑張って来た一年間だっただけにやはり精神的に堪えるものがあったのでしょうか。様々な修羅場を潜って来た投手ですがまだ22歳の青年なので、その辺りは仕方が無いのかもしれません(ちなみに中日のスカウトが視察しに来ていました)。

ドラフト会議の直前に安倍正彦さん@abe_masahiko執筆された記事によると、トラックマンで計測した回転数は全国トップレベルという事だそうです。どの記事を読んでもプロではリリーフタイプと目されていますが、僕は先発でもローテーションに入る事が出来ると思っています。昨今のプロ野球界で勝てる投手のポイントは「ストライクゾーンで勝負出来る持ち球が多い事」「ボール球を振らせやすいバックスピンがかかっている事」だと思うのですが、今の栗林投手はどちらも満たしています。

大学で4年間8シーズンを主戦として投げた事が懸念されるのは仕方ないかもしれませんが投球スタイルに関してはメディアもプロ側も見誤っているような気がします。今の栗林投手は縦の回転軸でスピンの効いたボールを投げるのでフォークよりチェンジアップの方が更にマッチするのかな、とも思いますがあまり球種を増やしても投手像がぼやけてしまうので現在の投球スタイルを磨き上げて欲しいですね。一度指名漏れしてからのプロ入りは難易度が高いと思いますが、向上心を失わない投手なのでこれからも成長し続けて行くと思います。都市対抗野球での快投に期待します。


 


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