今季最終節で二日連続の先発勝利という活躍を見せ、至学館大を2部Bリーグの同率1位に導いた井村勇介投手(至学館大)。
今回は井村投手の投球メカニクスについて分析して行きたいと思います。
今回は井村投手の投球メカニクスについて分析して行きたいと思います。
③左膝が二塁方向に向き、その反作用で右足に本塁方向への力が加わります。
これは並進移動への初動力を付ける為のテクニックです。それと同時にグラブから右手が抜かれています。
下半身のエネルギーが臀部と軸足ハムストリングスに蓄えられました。
⑤ヒップファーストの段階です。捕手方向へ切り込まず体軸を傾けていません。
又、軸足の膝は深く折らず内側体重のまま本塁方向へ向かっています。
カットボール、ツーシームを持ち球にするタイプに多い軸足の使い方で実際の投球スタイルと一致しています。
⑥正対を避ける為にグラブを三塁方向へ突き出しています。左の肩甲骨を開けて肩の開きを防いでいます。
(体の構造上、親指を下にして腕を突き出すと肩甲骨が開き自然と左肩にロックがかかります)
右半身の体軸に沿うような動きでボールを隠しています。
⑦ランディングの段階です。
左半身の反作用を利用して右腕を引き上げていますが、この際も右半身に沿わすような動きでボールを隠しています。
開きを押さえる上半身と本塁方向へ向かう下半身との間で割くような動きが起こり、腹斜筋に捻りのパワーが発生。
⑧左脚が踏み込む前に右手がトップの位置まで来ました。かなりのアーリートップだと言えます。
スピード能力と引き換えに制球力を得られるメカニクスで故障のリスクも減ります。
軸足股関節の内旋可動域も広く、右足の甲で強くマウンドプレートを捉えられています。
腹斜筋の捻転パワーが広背筋から上腕に伝わり最大加速期に入ります。
踏み出し側の内転筋による溜めを使わずに一気に踏み込んでいるので、接地反力をフルに利用して上体を回転させています。
アーリートップであるにも関わらず140km/h半ばのストレートを投げ込めている秘訣なのかもしれません。
今回はここまで。メカニクス分析②へ続きます。