STANDING TRIPLE

らすかわ@suzu_rasuのブログです。愛知大学野球、大学野球全般、東海圏のドラフト候補、ドラフト候補全般、投球フォーム、打撃フォームに関する記事を執筆しています。

井村勇介投手

メカニクス分析~井村勇介投手編①(至学館大学)

今季最終節で二日連続の先発勝利という活躍を見せ、至学館大を2部Bリーグの同率1位に導いた井村勇介投手(至学館大)。
今回は井村投手の投球メカニクスについて分析して行きたいと思います。


C73A5024
①片脚支持の初動です。プレートの一塁側を踏んでいます。
ストライクを取りやすくするような意図があるのかもしれません。


C73A5026
②左膝が腰の位置で止まっています。
胸まで上がるとベストのような気がしますが、この辺りは個々のバランス感覚ですかね。


C73A5029
③左膝が二塁方向に向き、その反作用で右足に本塁方向への力が加わります。
これは並進移動への初動力を付ける為のテクニックです。それと同時にグラブから右手が抜かれています。
下半身のエネルギーが臀部と軸足ハムストリングスに蓄えられました。

C73A5030
④並進移動の初期段階です。下半身のエネルギーは軸足の内転筋に移動し始めます。

C73A5031
⑤ヒップファーストの段階です。捕手方向へ切り込まず体軸を傾けていません。
又、軸足の膝は深く折らず内側体重のまま本塁方向へ向かっています。
カットボール、ツーシームを持ち球にするタイプに多い軸足の使い方で実際の投球スタイルと一致しています。


C73A5262
⑥正対を避ける為にグラブを三塁方向へ突き出しています。左の肩甲骨を開けて肩の開きを防いでいます。
(体の構造上、親指を下にして腕を突き出すと肩甲骨が開き自然と左肩にロックがかかります)
右半身の体軸に沿うような動きでボールを隠しています。

C73A4965
⑦ランディングの段階です。
左半身の反作用を利用して右腕を引き上げていますが、この際も右半身に沿わすような動きでボールを隠しています。
開きを押さえる上半身と本塁方向へ向かう下半身との間で割くような動きが起こり、腹斜筋に捻りのパワーが発生。

C73A4956
⑧左脚が踏み込む前に右手がトップの位置まで来ました。かなりのアーリートップだと言えます。
スピード能力と引き換えに制球力を得られるメカニクスで故障のリスクも減ります。
軸足股関節の内旋可動域も広く、右足の甲で強くマウンドプレートを捉えられています。

C73A5036
腹斜筋の捻転パワーが広背筋から上腕に伝わり最大加速期に入ります。
踏み出し側の内転筋による溜めを使わずに一気に踏み込んでいるので、接地反力をフルに利用して上体を回転させています。
アーリートップであるにも関わらず140km/h半ばのストレートを投げ込めている秘訣なのかもしれません。

今回はここまで。メカニクス分析②へ続きます。

2部リーグ全節終了

春季の2部リーグは全試合終了しましたがAリーグ、Bリーグ共に1位に2校ずつが並んだ為、1位決定戦が行われることになりました。 2部Aリーグは名古屋学院大と星城大、2部Bリーグは至学館大と愛産大との間で行われます。

3S9A8520

3S9A9038

C73A4801

3S9A8193

名古屋学院大はエース谷口投手と主砲の秦選手(シーズン16打点という驚異的な数字を残しました※プロシーズン換算で224)打点ペースです)を中心とする投打の噛み合ったチーム。対する
星城大は細かい継投で勝ち抜いて来たチームです。1年生を中心としたフレッシュな投手陣を牽引した山田捕手は自身も打率.467をマークし首位打者の座に輝きました。勝敗予想は難しいところですがリーグ戦での直接対決では名院大の連勝に終わっています。谷口投手を序盤で攻略すれば星城大にも勝機有りというところでしょうか。

至学館大は絶対的エースの井村投手がシーズン6勝を挙げる活躍を見せており、額面通りの活躍を見せればロースコアの展開へ持ち込むはずです。井村投手を援護する打線も強力で、主軸の鯉渕選手と戸松選手はそれぞれ3本と2本の本塁打を放っています。対する愛産大も強力打線で勝ち抜いてきたチームです。規定打席到達者に打率3割超の選手が5人というラインナップで上位から下位まで切れ目が有りません。投手力がやや不安定ですが一戦勝負という事もあり細かい継投で目先を変えて来るのではないでしょうか。

激戦2部

土日月のゴールデンウィーク序盤3連戦が終わり、2部リーグが混沌としてきました。



という感じで最終カードを残す事になりましたが、これは次の土日で決まらず順位決定戦までもつれるんじゃないですかねぇ。
Aリーグでいう星城大、Bリーグでいう至学館大は1位通過の可能性が無いチームとの対戦なので一見有利に見えますが、こういうカードこそ上位が下位に食われがちなんですよね。



井村勇介投手(至学館大)が145km/hをマークしたという噂。高校時代は制球タイプの変化球投手だったのに大学で化けましたね。
ピッチングワークに長けた実戦派でこのスピード能力なので更にMAXを更新するようだといよいよドラフト戦線に名前が浮上してきそうです。



最近、日本福祉大についてほとんど書いてない気がしますが、鷹羽、千代、八幡の4年生投手は全員140km/h超で、中でもエース格の鷹羽投手は今季3勝を挙げる活躍を見せております。
左打者への内角攻めが見事で常時140km台を誇るストレートで空振りを取れるのが魅力です。

西川省吾投手前元良太投手に続く事が出来ますでしょうか?

3S9A1098

井村勇介投手(至学館大学)

3S9A0108
井村勇介投手(至学館大学)
高蔵寺高校卒 172cm67kg

高校時代はチームを夏の県大会ベスト8へ導いた三刀流選手(投手・遊撃手・三塁手)として、その名を轟かせていました。(※2年生時には投手として関根大気とも対戦)在籍する至学館大学では入学直後から主戦投手としての活躍見せ、当時のドラフト候補生・夏目旭投手(現ジェイプロジェクト)を差し置いてまでエース格を任されていた時期もあった程で、チームからの厚い信頼を勝ち得ています。高校時代は制球力に優れる技巧派投手でしたが大学3年生となった現在は技巧派と本格派の両面を併せ持つ、総合力の高い投手へと変貌を遂げました。(最速143km/h前後)先発投手としては幅のある投球で試合を作り(序盤は球種を温存するタイプ)、リリーフ投手としては厚みのあるストレートと切れ味鋭い変化球(恐らくスラッター系、チェンジアップ系)で空振りを量産する"絶対的なクローザー"としての役割を果たします。腕の位置はやや横手のスリークォーターですがマウンドプレートの一塁側を踏んでいる為、ストライクゾーンの中へと球を収めやすく、トップを早く作っている事からしても、制球に対して強い意識を持っている投手だと思われます。それらの取り組みがピッチングワークにも活かされており、ランナーを背負った場面では併殺狙いの投球に切り替えて、きっちり仕留めて来ます。ここまで読めばお気づきだと思われますが、プレースタイルの全てにクレバーな下地を感じさせる投手であり、それらの要素を踏まえると"菅野智之投手(読売巨人軍)のコンパクト版"という印象を受けます。

---------------------------

この選手のここを見ろ→『出所を隠す三重構造のメカニクス』

ストライクカウントを取りやすい工夫をしている事は上記した通りですがメカニクスの細かい部分に目を向けると、その"野球脳"の高さを窺い知る事が出来ます。

732A0201

3S9A0017

3S9A1162

まず目につくのが三塁方向へ突き出した左腕の使い方で、これによって打者との正対を避け、左肩の開きを押さえる事が出来ます。又、トップを作るのがかなり早い為、左足の接地反力を利用した"高速リリース"へと繋げやすく、球の出所が視認されにくくなります。(※ボクサーで言うフリッカージャブの理屈)更には"頚反射"の作用(※顔を一塁方向へ振る事で上体の動きを引っ張る作用)も取り入れており、これら全ての動きが連動すると三重構造による『出所を隠すメカニクス』が実現し、"いきなり飛んでくる球"への対応を迫られる打者はバットを出すタイミングを失います。意識的な取り組みなのか自然と辿り着いたのかは不明ですが打者に組みにくい印象を与えていることは間違いないところです。

---------------------------


3S9A0230

一説によると大学進学時は1部リーグの強豪校へ進む選択肢もあったそうです。輩出している人材の質は中央球界に勝るとも劣らない愛知の2部リーグですが、その道を自ら進んで選択する選手はまだそんなに多くはありません。出場機会を貪欲に求め、期待値を超える活躍を見せ始めた辺りからしても『東海クオリティ』の新星と言えるのではないでしょうか。見る度にピッチングの質が向上している投手で大学入学後のアップデート力で言えば栗林良吏投手(名城大)を凌いでいる印象すら受けます。今後の課題を挙げるとすれば"球数を減らしてテンポで圧倒する事"でしょうか。最終学年での更なる進化を経て、上のステージ(社会人野球・NPB)への扉をこじ開けられるのか?新シーズンでの登板試合が非常に待ち遠しいです。




高蔵寺の星

732A0201

732A0276

732A0281

732A0208
井村勇介投手(至学館大 3年)
今季はまだ一度も至学館大の試合を観に行ってないので(至学館大Gは駅から遠すぎて余程の事が無いと行けない)昨年度のカットで恐縮ですが、 1、2部含む愛知の大学生投手の中では屈指のピッチングフォームなのではないでしょうか。この点に関しては右の井村、左の木原(東海学園大)だと個人的には思っています。 打者との正対を避けつつコンパクトに腕を引き上げ、素早くトップを作っているのですが、トップを作る速さが尋常じゃなくて左足が着地する前に腕が完全に引きあがっています。 プロの投手で言うと岡田俊哉(中日)がこのぐらいの速さでトップを作っているんですけど、制球力と連動性に優れ、球速以上に差し込む効果のある機能的なフォームと言えるのではないでしょうか。 入学当初から登板機会に恵まれていた投手ですが今年は更に良くなっているという話なので、近いうちに登板している姿を見にいきたいなと思っています。 高校時代は遊撃手、三塁手を兼任していたのですが打者としての素質も素晴らしく井端弘和のようなしぶとい打撃を見せていました。センスの高さに加えて技術を習得する向上心も持ち合わせている投手なので社会人野球なんかにフィットしそうな気がします。 本人が望めば1部リーグの大学で野球を継続する選択肢もあったのでは無いかと思われますが、2部リーグの大学を選んだことは間違いでは無かったはずです。今季は最終戦の結果次第ではプレーオフ進出の可能性も残しています。 久保田淳希投手(同朋大)との投げ合い予想で好ゲームになる事は必至です。どんな結果になるのか楽しみですね。
RSS
このブログに関しての説明
主に愛知県のアマチュア野球に関する観戦記です。 一般人による運営ですので内容に誤りがある事を前提として閲覧してください。 又、公開に関して問題があるようでしたらコメント等にて一報いただければすみやかに対処させていただきますので宜しくお願いいたします。
記事検索
カテゴリー
タグクラウド
QRコード
QRコード