夏目旭投手
いやー凄かった。愛知2部リーグの真髄を見た一日でした。
何から書けば良いのかわからないぐらい内容が濃かったのですが、
とりあえずBIG3という括りは止めてBIG5にした方が良いんじゃないですかね?
そのぐらい眞野投手(名古屋経済大学)と小林投手(愛知東邦大)が素晴らしかった。
しかし、この日一番のディープインパクトは中尾投手(名古屋経済大)でしょう。
リリーフで8回途中からマウンドに上がりましたが、「え!?誰??」と思うぐらいに別人の体格になっていました。
細身の体から捻り出すように全力投球していたかつての姿は消え、
ボアアップに成功したがっしりとした体格から常時140km/h超のストレートを連発。
スピンの効いた重量感あるストレートはリリースと同時にミットを叩くえげつないスピードでした。
この日登場したドラフト候補の4投手は全員140km/h超をマーク。
その中でも中尾投手のストレートは球速以上のキレを感じるものでまさしく別格と言った感じを受けました。
恐らく明日の先発マウンドを任されると思うので、一試合を通じてどのぐらいのパフォーマンスを見せるのか注目したいと思います。
ドラフト1、2位で消えるレベルの投手は居ないものの、これだけ逸材が分布してる2部というのもこれまでに無かった気がします。
のっけから激戦の様相を呈しており今後の行方が楽しみなところです。
3月8日付の中日スポーツ紙面に愛知2部のドラフト候補ビッグ3としてデカデカと掲載されていましたね。
でも、これって元はと言えば野球太郎(カルト系野球雑誌)で紹介された3人ですよね。あの雑誌も業界内での影響力がかなり強くなってきたな…
以前にそれぞれの投手について書いた事がありますが補足ついでにまとめを。
近藤凌太投手(愛知工業大学)
187cm87kgの本格派右腕。MAX150km/h。
長身から角度のあるストレートを繰り出すパワーピッチャー。
リリースの打点が高い割には頭の上下動が少なく、投げ終わりに一塁方向へ体を流す感じのフォームで、
一連の投球動作は岩隈久志や前田健太に似ています。もう少し横回転が強いフォームになったら
現在のNPBで成功している190cm級の投手達(武田翔太等)に近い投げ方になるような気がします。
まとまっている時は寄せ付けないピッチングをする反面、崩れると制御不能に陥るような危うさを内包するタイプですが、
球の力は文句無しでパワー系のストレートと言う事なら愛知の大学生では七原優介投手以来の存在でしょう。
夏目旭投手(至学館大学)
183cm84kgの本格派左腕。MAX144km/h。
制球難でブレイクが遅れたという事もあってか、全体的に動きを押さえた投球フォームで、
グラブを大きく突き出さない右腕の動きや、頭の上下動を抑えようとするフィニッシュの仕方等に工夫が見えます。
投球全般としては齋藤弘志投手(中部学院大学→日本新薬)に近い感じですが、
試合の中で速球主体の時間帯と変化球主体の時間帯とを使い分けられる投球幅が最大の持ち味です。
何か一つ絶対的な球種をマスターすれば一気に評価が上がるのかも。
中尾輝投手(名古屋経済大学)
179cm79kgの本格派左腕。MAX147km/h。
スラリと長く伸びた脚を上手く使って豪快に投げ込む投球フォームは往年の川口和久を彷彿させるものがあります。
頭の上下動が激しい投げ方な為か帽子が宙に舞う事がしばしばあり、そのシーンがトレードマークと化しています。
強い腕の振りから繰り出すストレートの威力はシーズン毎に増していくので、最終学年でのパフォーマンスが非常に楽しみな存在です。
上の世界でも通用する変化球をマスターできるかどうかが最終学年の課題になりそうです。
(この3投手の中では一番注目度が高いような感じを受けますね。)
…というような主観ですが、これらの投手が気になるという方は現地へ行ってご自分の目で確認してください。
(今春は2部リーグが熱い!、と言っても部外者の観客なんてせいぜい10人前後でしょうね今年も)
この3人以外にも1部昇格、そしてNPB入りを目指している投手は当然いる訳で、
中日スポーツ紙面に自分の名前が挙がっていないことに反骨心が芽生えているのではないかと思います。
それに加えて、1部から降格してきた大型戦力の愛知学院大にとっても逆襲のシーズンになります。
と言うことで、チームの1部昇格と自身のプロ入りをかけた熱戦が各地で繰り広げられる事になるでしょう。
何時にも増して球春の到来が待ち遠しく思えます。
昨年度から存在を知っていた投手ですが、しばらく姿を見なかったのでどうしているのだろう?と思っていたら今秋復活。
本格派左腕として急成長を見せ、ドラフト候補生として名前が上がるまでになりました。
最速144km/hのクロスファイアを主体としてスライダー、カーブ、チェンジアップ等を操り、緩急も使ってきます。
今季リーグ戦で愛工大と対戦した際(9月19日)にはストレートに的を絞られ
序盤に試合を決められる形の4失点を喫して敗戦投手となりましたが、
指にかかった時のストレートの軌道は「濱田達郎、高2秋」を彷彿させます。
若干合わせやすくなる時があるのかもしれませんが、
重心移動時の腰の落とし込みや右脚の着地までの粘りはまずまずで変化球を腕だけで投げていると言った感じはありません。
又、左足の甲をしっかり押さえつけており、深いストライドと相まって、球に抑えを効かせることができています。
そのような感じで力がある投手なのは間違いのないところなので、
来年度の愛知2部リーグを沸かせてくれる存在になるでしょう。
勝手に「共和のライジングサン」と命名していたのですが、「アサヒ」では無く「アキラ」と読むみたいですね。
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