投球動作

森下暢仁投手(明治大学)②

3S9A2121

3S9A1710

3S9A4869

前回からの続きです。
森下投手の投球モーションはそれぞれのフェーズが素晴らしいのですが、その中でも特徴的なのがこのフェーズだと思います。 所謂、「骨盤のかませ」です。投球動作中に「キュッ」という擬音が聞こえてきそうなぐらい顕著にこの動きを取り入れています。この動きの利点を幾つか挙げてみると「下半身の回転半径が狭くなり骨盤が鋭く回る」「開きが遅くなる」「軸足(右脚)を収縮したバネのように使える※ステップに躍動感が生まれる」という感じです。トルネード投法のように体全体を横に捻っている訳では無くて、下半身だけを狭く鋭く回せているように見えます。それによって上体の回転運動を引き出し、投球腕の末端加速を実現しているのだと思われます。

正にこういう事なのかなと思います。
 


森下暢仁投手(明治大学)①

3S9A2152

3S9A2154

3S9A2155

3S9A2156

3S9A2161

3S9A2164

3S9A2165

3S9A2166

3S9A2167

3S9A2168

3S9A2169

3S9A2170
凄いフォームですね。詳細は後日。今日はとりあえず連続写真だけ。




大西広樹投手(大阪商業大学)


関西六大学野球連盟は昨年に続き大阪商業大学が神宮(全日本大学野球選手権)行きを決めました。




732A1550
176cm80kg 大商大高校卒 右投げ右打ち
昨秋までの通算成績 47試 19勝 2敗 197回 64四死 26責 1.19防
732A1527

732A1528

732A1530

732A1654

732A1531

732A1656

732A1657

732A1539

732A1523

732A1658

732A1536

732A1537

高めに集まるフォーシームと縦に曲がり落ちる変化球とのコンビネーションが持ち味の本格派右腕。最速148km/hという事でパワーピッチャーとして認識されている感が有りますが、本質的には変化球投手だと思います。 左半身のブロック動作を利用して投球腕(右腕)を加速させているタイプ(両肩の入れ替えが出来ていない)なので、制球面は投球腕の手先に頼った感じになりやすく、右上(右打者のインコース高め)へと抜けて行く球が散見されます(このような抜け方をする投手は対角の低めへの制球にも課題を抱えているのが一般的)。上のレベル(プロ)へ進んだ場合の話になりますが、縦の変化球(フォーク、スライダー)は実戦的で空振りを誘えるレベルにあると思うので、高めのフォーシームを上手く使えるか否かが成功の鍵となりそうです。昨今のプロ野球界で即戦力になりうるかどうかのポイントは、踏み出し側の股関節(右腕なら左股関節)を支点とした回転動作によって投球腕を加速させられているかどうかだと思うのですが(左股関節から右腕が生えている意識です右腕の場合)、大西投手は肩関節周辺を支点として投球しているように見えるので、プロ入り序盤は苦戦する事になるのかもしれません。左股関節を支点とした回転動作が使えない事のデメリットには、「ストレート被打率が高くなりやすい事」「腕の振りで変化球を見抜かれる事(投げ終わりで投球腕が体に絡んでこない)」「ストレートに角度が付かず打ち損じを誘えない事」等が挙げられます。 腕の振り方には課題を残していますが下半身は上手く使えていますし、スイング動作中での右腕前腕の捻り(回内と回外)も使えていると思います。最終学年でキャリアハイの投球を見せてくれる事に期待したいですね。 




嘉陽宗一郎投手(トヨタ自動車)

3S9A3452



嘉陽 宗一郎(トヨタ自動車)|ドラフト・レポート

187cm87kg 松山聖陵高校から亜細亜大学を経て社会人野球2年目。
2019年度ドラフト候補選手です。亜細亜大学時代はプロ志望届を提出するも指名漏れ。

以下、投球動作の考察。(3月23日JR東海戦より※6回無失点1安打ピッチング)

同一動作内での連続写真
3S9A3427
【セットポジションより始動】

3S9A3428

3S9A3432
【左膝が腰の位置より上がる】

3S9A3433

3S9A3434
【ハンズセパレーション(グラブから右腕を抜く)】

3S9A3435
【右腕の脱力】
【突き出したグラブの小指を上に向ける】
【角度が浅めのヒップファースト】
【パワーポジション】

3S9A3436
【グラブを高く上げる】
【右わき腹の収縮】
【尻が落ちない(骨盤が後傾しない)】

3S9A3437
【軸足(右脚)の膝が内に入る】
【爪先から入る接地で着地を遅らせる】
【ストライドの角度が浅い】
【右腕の上りが遅い】

3S9A3438
【軸足の膝が深く折れ右の尻が落ちる】
【打者寄りでリリース出来ていない】

3S9A3439
【右手の掌が三塁方向を向く】

3S9A3440
【左脚のアクセル筋群(ハムストリングスと臀部)による伸展】

3S9A3441
【右足のスパイク裏側が天を向く】

以下、補足カット
3S9A3359
【右腕の上りが遅い】
【右股関節から左股関節への重心移動】
【踏み込みの反力を左股関節に伝える】

3S9A3354
【右肩甲骨を閉じる動きが使えていない変則的なトップ】

3S9A3448
【左肩甲骨を閉じる動きで体幹を回し始める】

3S9A3352
【左のわき腹を収縮させる(体を縦に使う意識)】

3S9A3358
【左の肘が股関節辺りまで下りる】
【右膝が外へ逃げ気味(内転筋による引き込みが甘い)】

3S9A3276
【右腕が上体へ絡みつく】
【骨盤がやや横回転(右膝から下が三塁方向へ振られスパイクの裏が天を向くのが早い)】


総評


縦の角度がある球を両サイドへ集めるスタイルという事も有り、縦回転寄りのフォームであると思われます。セットポジションからの始動で、ヒップファーストでは体軸に傾きを作らず、尻をあまり落とさない形でステップに入ります(ハムストリングスや臀部のパワーを利用しやすいと思われます)。ステップする際の股関節可動域はやや狭く、下半身の柔軟性に課題を残しているように見えます。爪先からの接地を採用し、左股関節への重心移動を遅らせるような意図を感じるさせていますが(左足がマウンドに着くのを遅らせている)、それでも右腕の上りは間に合っていないように見えます。トップの形はかなり独特で、右の肩甲骨は開き(外転)で左の肩甲骨は閉じられています(内転)。肩甲骨周辺が硬いという事であれば左の肩甲骨も閉じられないと思うので、もしかしたら右の肩甲骨周辺や肩関節を痛めた経験が有る為にそうなっているのかもしれません(一種のアーム投法ですかね)。そういった身体的特性が影響しているのか、左腕と左肩甲骨の引き込みによる上体の回転動作が始まっても、まだ右腕のスイング動作が始まっておらず、所謂「開きが早い」という状態になっています。そういった事も有り制球難に陥りやすいタイプの投げ方に分類されそうですが、実際の投球内容としては概ねゾーンで勝負出来ており、制球が大きく破綻するような事は有りません。下半身の柔軟性がやや欠けているせいか骨盤も横に回転しているように見えますが、その影響もほぼ感じられません。ステップからリリースへ向けての動きの中で、高く上げたグラブを長く縦に下ろす動作を採用していますが、それによって動作全体の修正が図れているのかもしれません。球速帯としては大体140km/h付近でそれほどスピード能力に優れている訳ではないのですが(最速147km/h)、出力を制御する事で投球のまとまりを得ている可能性も考えられます。洗練された完成度の高いフォームとは言いにくい所も有りますが短所を上手くカバー出来ており、動作を修正する感覚に優れている投手だと思われます。将来的な完成形は同じく亜細亜大学出身の九里亜蓮投手(広島カープ)辺りでしょうか。現実的なドラフト候補として台頭できるかは今後の活躍次第だと思われます。




大内公貴投手(三菱重工名古屋)

先日に引き続いて三菱重工名古屋の大内公貴投手(中京大学卒)について書かせていただきます。

大学生の進路⑥

今日は投球フォームの分析です。
以下、同一動作内における連続写真

投球モーション
3S9A1833
【セットポジションより始動】

3S9A1834
【力みを取る為の目線外し】
【頭部を軸足上(左足上)にセット】

3S9A1835

3S9A1836
【右膝が胸まで上がる】

3S9A1837

3S9A1838
【ハンズセパレーションが遅い】

3S9A1839
【左腕の脱力】
【軸足のパワーポジション】
【ヒップファーストを利用して右脚でボールを隠す】

3S9A1840
【グラブの小指を上に向けて肩の開きを抑える】
【上体を縦に使う為にグラブを高く上げる】
【左わき腹の収縮】
【体軸が傾き頭部が後ろに残る】

3S9A1841
【トップを作るのがやや遅い】
【左腕の肩甲骨を下げるように閉じて腕と体幹を一体化させる】
【頭部でボールを隠す】
【下半身(骨盤)の開きを抑えられている】

3S9A1842
【右腕を縦に下ろして左腕をリリースへと導く】
【脇腹の収縮が左から右へと入れ替わる】
【右足が踏み込んだ反力で骨盤が正面を向く】


3S9A1843
【左の掌が一塁側を向く】
【右脚のアクセル筋群(臀部とハムストリングス)による起こし上げ】


3S9A1844

3S9A1845

3S9A1846
【軸足(左脚)の伸展(伸ばし)と内旋(内捻り)によって骨盤が縦回転】
【スパイクの裏が天を向くタイミングを遅らせている(体が横に振られていない)】

以下、別の投球動作からの補足カット

最大加速期
3S9A1693
【右腕を縦に下ろす】
【左腕前腕を回外(外捻り)させ肘を鋭角に使う】


リリース期
3S9A1714
【縦に長く横が狭いリリース】

フィニッシュ期
3S9A1691
【背中を捕手方向へ向ける】

総評
縦に長く横に狭い、縦回転型のフォームです。 始動からサイドステップにかけて軸足の膝を過度に折らず、骨盤もほぼ後傾ません。それによってモーションにブレーキがかからず上から投げ込む為の角度も確保できます。トップのフェーズに入る辺りでも下半身の開きを抑えられており、両股関節を使って骨盤を回転させられている為、フォーム全体の横振れが起きにくいのではないかと思われます。パワーポジションからトップのフェーズにかけて高く上げたグラブを最大加速期以降で縦に長く下ろす事で上体が縦に回り(右の肩甲骨でリードする体幹の回転はあまり実現できていませんが)、真上から叩きつけるようなリリースを実現できています(左右の腕の連動性に関しては独特の使い方をしていますね)。フィニッシュ以降では左肩越しに背中が捕手方向を向き、上体が最後まで加速しています。下半身の動きとしては左脚の膝から下が外に振られず、スパイクの裏が天を向くタイミングが遅いのが特徴的で、骨盤が縦に回転している証拠だと言えます。左右の制球がまとまり、球のシュート回転を抑えやすい投げ方だと思われます。気になるのはトップを作るのが気持ち遅めに見える事で、それによって意図せず球が高めに集まる事があるのかもしれません。投手としては小柄な部類に入ると思いますが(身長173cm)ボールに縦の角度を生み出し、ゾーンの中で勝負して行ける下地を作れているフォームだと思います。社会人野球で息の長い投手として活躍して欲しいですね。




このブログに関しての説明
主に愛知県のアマチュア野球に関する観戦記です。 一般人による運営ですので内容に誤りがある事を前提として閲覧してください。 又、公開に関して問題があるようでしたらコメント等にて一報いただければすみやかに対処させていただきますので宜しくお願いいたします。
記事検索
カテゴリー
タグクラウド
livedoor 天気
QRコード
QRコード